鈴木篠千の日記

2度目の移籍。浜松近郊でフリーライターしてます。①日記(普段の生活やテレビの話題と社会考察) ②プロレス心理学(とプロレス&格闘技の話) ③非居酒屋放浪記 ④派遣録(派遣していた&いる時や過去の話)

6/29 ブラック"責任"

俺は元ブラック企業の社員だった。その頃は『ブラック企業』などという言葉はなく、ただ休みがなく、ノルマに追われる生活をしていた。
残業など当たり前。
言わば、『名ばかり店長』だった。

そんな俺から見て、ブラック企業という体質が一番嫌うのが"責任"だ。
何か問題、過失が起こった際に、『それはアンタの責任』と言われる事を凄く嫌がる。
前回書いた"小さな王様"などは"威張りたい"、"上からモノを言いたい"と思っているが、何かあったら『責任は取りたくない』という矛盾した事を思っているに違いない。
小さくともリーダー(王様)である以上、グループの問題、過失はリーダーの責任なのだが、他者、特に"家来"としか見ていない人間の責任など『被るのはまっぴらゴメン』なのだ。

だから、ブラック企業は新しい事、新しい展開に入ることや挑戦を著しく嫌う。そこに責任が生まれるからだ。

リスクマネージメント』という便利な言葉がある。
これを『責任回避』と訳すのは間違いで、『危険回避』が正しい。
何か起こった際に、それを速やかに解決する方法を考えておくのが、本筋だ。
「それは私の責任ではない」と逃げる事では問題の解決にはならない。

去年の『東京オリンピック』の会場建設費用問題を思い出して欲しい。
問題がメディアに取り上げられた途端、政治家、組織委員会、建築家が一斉に『私の責任ではない』の大合唱。

かなり恥ずかしい話だったが、あれがブラック企業の体質の"一端"と見て良いだろう。

そうなると、責任を取らされるのはいつも、立場の弱い人間だ。
下端の人間、関係の薄いグループ内の人間、それまで全く目立って来なかった人物がいつの間にか『主犯』にされる。

俺の『名ばかり店長』もこのパターンで、普段は権限など全く持たされていないのに、何か問題があるとすかさず責任を取らされる。

ならば、こういう馬鹿馬鹿しい"責任"を負わない為にはどうすれば良いか?

やはり、こんなブラック企業などに入らないのが一番だ。
(ま、これを今さら言ってもしかたなし、そう簡単に辞められないのが社会人の悲しいところだが…)

また、何かにつけて「それで何かあったら、責任は貴方が取ってくれるの?」と詰めておけば良い。
ブラック企業は、こういう"責任論"を確認する人間を嫌う。『嫌な奴だ。いちいち責任を持ち出して…』と思われる事を我慢すれば、関係の薄い物事のおかしな責任を取らされる事はなくなる。
…というか、かなり組織から疎遠になってしまうと思うが。
ただ、それくらい言わないとブラック企業はそこにつけこんでくるはずだ。
甘さを見せたらダメ。『小うるさい奴』ほどの評価がちょうど良いと思う。