鈴木篠千の日記

2度目の移籍。浜松近郊でフリーライターしてます。①日記(普段の生活やテレビの話題と社会考察) ②プロレス心理学(とプロレス&格闘技の話) ③非居酒屋放浪記 ④派遣録(派遣していた&いる時や過去の話)

1/22 偽信者

小室哲哉の引退会見を観て、さらに感じた事がある。

イメージ 1


一時期、『TKサウンド』は世の中を席巻した。
俺が高校~大学にかけてメディア、音楽シーンを巡り回った。
小室哲哉は"音楽界の寵児"であり、確かに"カリスマ"だった。

猫も杓子も『小室』、なんて時代は確かにあった。

それが数年前、詐欺容疑で訴えられ、今は奥さんの介護に務め、不倫疑惑で引退。

時代の流れを感じざる得ない。
"カリスマ"も人の子である。
「神だ、カリスマだ、天才だ」と言われても、最後は寂しいものだ。

あの頃、『TKサウンド』に熱狂し、崇め奉っていた人たち(サダヒト?)は、今どんな気持ちでこのニュースを聴いているのか?

誰かを崇める事は、凄く甘美だが、凄く怖いと思う。

あれは、小学生の頃だ。
俺は、サッカー部に入っていた。対して活躍できなかったが、当時は半ば強制的に放課後には部活動をやらされていた。

その頃、俺は近所に住むシンタ(アダ名)という同級生の弟と仲良くなっていて、よく一緒に帰宅していた。
その時、シンタ弟が必ず俺にする話があった。
それは、我々サッカー部の顧問の林田先生が如何に素晴らしく、愉快な先生であるか、という話だった。
「あんな良い先生はいない」
「林田先生は、最高だ!」
「林田先生に付いていけば間違いない!」
…などなど、林田先生への賛辞を並べ、自分がどれほど林田先生を慕っているかを俺に説明し続けた。
確かに、その林田先生は生徒に人気があり、サッカーの指導にも熱心な先生だった。
俺も悪感情はない。

だが、シンタ弟ほど、心酔はしていなかった。

だから、シンタ弟の、その心酔っぷりに引いていた。
俺の人生にはこうした思い込みの激しい"熱狂的"な人間が度々現れる。

ま、俺も中学生の後半からプロレスにハマり、熱狂的なUWF信者になるのだが…。

人は何かにハマる、頼る、信じるのが好きた。
同時にハマられ、頼られ、信じられる存在に成りたがる。
実際、『カリスマ○○』は世の中に溢れている。
少しでも功績があれば、大した実力も無いのにカリスマを名乗りたがる。
同時にそんな"カリスマ"を崇める。

小室哲哉は実績がある本物のカリスマだろう。(関連CDの総売上1億七千万円…)

何故、人は"カリスマ"に摺り寄り、安易に"カリスマ"に成りたがるのだろうか?

俺はそんな"信者"を見ていると無性に恐怖を感じる。
何故、他者をそこまで信じる?
何故、他者にそこまで期待する?

そのカリスマが自分の意に沿わない事をする可能性は多分にある。
そうした時、自身は"信者"でいられるのか?
また、カリスマはいつまでもカリスマではいられない。
違ったカリスマが後からわんさか出てくる。
実力はあるが、実績が落ちてくる時期は必ず来る。
そうなったら、

『昔は好きだったなぁ~、○○』

何て、若かりし自身を懐かしむのか?

そこには、やはり『他者に対する甘え』を感じる。
『あの人の信者って言っておけば大丈夫
』『あの人を評価しておけば、今の内は無難に行ける』なんていう狡猾な計算だ。
それはもう信者ではなく、言うなら"偽信者"だ。


また、"カリスマ"側にも問題がある。
やはり自分を『カリスマ!』と扱ってくれる世の中が嬉しい、望ましい。
大した実力はないが、チヤホヤされる世の中であって欲しい。

俺の大嫌いな"小さなグループのリーダー"に成りたがる人間に、この性格が多いと思う。

自分には絶対服従。自分の言葉だけを信じ、自分の言いなりになる"信者"。
そんな信者が欲しくてたまらないのだ。

それも自分からは求めない。

あくまでも"自然"に"崇め奉られた"という状態が良い。

『俺って、周りが勝手に騒ぐんだよね…』なんて言いたいのだ。
馬鹿馬鹿しいが、みんな(俺もね…)、そんな"カリスマ"になりたいのだ。
自分の言いなりの"信者"に囲まれ、自分の思うような"自分"を演じ続けたいのだ。

だから、"カリスマ"を作りだがるのでは?

『あの人がカリスマなら、俺もカリスマだ』と言いたいのだ。
まさにまやかし。まさに"カリスマ幻想"だ。

イメージ 2


小室哲哉は、そう言った"まやかし"のカリスマではなく、実力の"あった"カリスマだろう。
そんな小室哲哉が音楽活動を引退する。

まだまだ曲を出せそうな気もするが、本人は『才能の限界』と言う。

彼を慕っていた信者は納得していたのかもしれない。

だが、彼に頼って、しがみついて来た"偽信者"ような"寄生"者は恥を知るべきだ。

と、同時にカリスマになりたがる"似非カリスマ"も恥を知れ!
お前にカリスマ的な要素は皆無だ!

諦めろ!


数年後、また『TKサウンド』を聞きたいなぁ。