何故なら、自分は『良いことに(善意)を行っている』と思っているからだ。
自分に従い、自分を敬う事は"善"であり、
自分に従わず、自分を敬わない者はすべからく"悪"である。
だから、選手に悪質タックルさせたり、謝罪会見の後にキャバクラに行ってしまえるのであろう。
彼らからしたら、『俺は悪くない!』と内心思っているに違いない。
関わりの無い人間から見たら、そんな考えこそ"悪"なのだが、
パワハラをしている人間には、自身の言動を省みる事が無い。
そこには"善意"(独り善がり)しかない。
"善意"だから、自分は正しい。
"善意"は推し進めても良い。
その行動者である自分が非難される理由などない。
自分の善意で、『アメフト部は強くなり』、『日本レスリングは躍進してきた』からだ。
『俺は悪くない。俺に従わない、俺を尊敬しない奴らが悪いんだ』
悲しい人間である。
彼らが威を張るのは、大学アメフト🏈界や、日本レスリング界という"小さなグループ"の中であり、そこを離れたら単なる"わがままなおじさん"である。
自分のわがままを聴いてくれ、自分の意向が受け止められる範囲でしか、威張れない。
そこにいて、自分の思う"善意"な行動をしている限り、自分は尊敬される対象であり、自分が非難されるはずがない。
そう思っているに違いない。
だから、今回のように、ひとたび"外界"に連れ出されたら、その善意は批判される。
厄介なのは、彼らが自身の"善意"が一般社会では通用しない事を知り抜いている事だ。
だから、なるべく表には現れない。
自分に従う人間を使い、矢面に立たせる。
自分による、自分だけの、自分が優位な"グループ"で威を張る。
それは、まさにプロレスではないか?
何度も書いているが、プロレスの"強弱"は実際のそれに比例しない。
弱かろうが、体力的に劣っていようが、観客を興奮させる事が出来るレスラーが"勝者"であり、"強者"だ。
2000年代前半、総合格闘技ブームに乗って、プロレスは退勢の色が濃くなった。
『プロレスなんて八百長。本当に強い奴を見たい!』
総合格闘技は文字通り、"リアルファイト"だ。
体力や格闘技術の強弱が結果に出てしまう。
この時期、プロレスラーの多くが総合格闘技(MMA)に挑んで惨敗した。
成功したのは、桜庭、田村、高山、アレク大塚ぐらいなもんか?
他のみんな、よく負けていた。
当たり前だ。
相手の技を受けきって、相手を"活躍"させて"倒す"プロレスと、相手の技を封じ、相手を束縛して"倒す"総合格闘技は、似ているようで、全く違うスポーツだ。
プロレスラーの多くは、負けるべくして、負けていた、と言える。
"10.9"でUインターに絶望した俺は、世の中のプロレス全般を新鮮な気持ちで見ていられた時期だった。
プロレスが"リアルではない"と分かれば、そういうものだ、と思って観ていれば良い。
それは幸福な時間だった。
だが、プロレスラーはこぞって総合格闘技にチャレンジし、惨めに敗れて行った。
いくらプロレスのリングで「俺は最強だ!」とか、『チャンピオン』と称されても、リアルな闘いで負けてしまっては、意味がない。
「あー、プロレスラーなんて弱いじゃん」
などと言われても抗弁出来なかった。
なんでレスラーはわざわざ総合のリングにあがるのか?
意味が分からなかった。
プロレスのリングにいて、プロレスをしておけば、レスラーは"最強"だ。
「本当は、○○○○の方が強い」と言われても、プロレスの"境界内"にいる限り、それは妄想であり、プロレスファンの俺たちは最強であるレスラーに声援と、尊敬を捧げる。
レスラーが"外界"に出る理由はないはずた。プロレスをしていれば
最強なのだから。
パワハラの善意"は、レスラーの"最強"と似ている。
それは、その場所(プロレス界)、グループ(団体)では効果があるが、ひとたびそこから引き釣り出されたら、途端に効果も権威も無くなる。
(それが分かっているから、彼らは出たがらないのだが…)
組織と世間。
プロレスとMMA(総合格闘技)。
良い例として、アレクサンダー大塚というレスラーがいる。
彼は『格闘探偵団バトラーツ』の中堅レスラーだったのだが、総合格闘技のリングでマルコ・ファスに勝ったのだ。
マルコ・ファスとは、
『路上の帝王』と呼ばれ、あのヒクソンが"対戦を避けた"と言われたバーリトゥードの強者である。
そのファスに総合格闘技のリングで勝ってしまったのだ。
しかし、大塚は自身の団体に戻れば、インディ団体の中堅レスラーに過ぎない。
しかし、リアルファイトでは"帝王"に勝ったMMAファイターである。
この矛盾をどう見たら良いのか?
『やっぱり、プロレスって八百長か?』ではない。
そこ(プロレス団体)にいたら、レスラーは"最強"でいられる。
総合(MMA)での強さに比例しないプロレス団体での"序列"は矛盾しかない。
※俺はバトラーツ崩壊の一端はこの大塚のリアルな強さにある、と見ている。
プロレス団体という"小さなグループ"にいたら、中堅。
MMAならば、最強。
プロレスラーの"最強"はそのプロレス団体の中だからこそ成り立つ最強である。
(なので、"最強"には違いない)
ならば、最強と同じ、パワハラの"善意"はやはり、その"グループ"の中でしか通用しない。
善意の逆の、"悪意"には後ろめたさがある。
それがその行為のブレーキになる。
善意にはそれがない。
(良い事なんだから)、(みんなのために)と思えば、その善意を推し進めたくなる。
善意だから、誰も傷付けない。誰にも損は無い。皆が賛成してくれるはず…。そう思うから、パワハラは止まない。
全てが"善意"であり、善意であるが、そうであるが上に、その善意は止めれない。
まさに"善意固め"✨だ。
全てが善意で固められている。
また、そうした"善意"が、単なる"独り善がり"と見られる事が分かっているから、彼らは批判を浴びない"安全圏"にいたがる。
とんでもない卑怯で、弱い人間だ。
たから、パワハラをしてくる人間を弱らせるのは、世間や表に引き釣り出せば良いのだ。
内田監督や栄監督の会見を見たら分かる。
彼らは"形だけの謝罪"をしながら、腹の底では1mmも反省していない、もしくは謝罪する意識さえ理解出来ていないだろうな?
たがら、世間に、表に連れ出してやれ。
後悔するだろう。
この馬鹿らのいた"世界"は小さい。
それを今、身をもって分かっているだろうな。