以前、地元の出版社を解雇された後、少しの間、日雇い派遣などで食い繋いでいた。
その時、様々な仕事をした。
色んな人間がいたが、よくいたのは当日無断欠勤する奴だ。
派遣会社は決まった数の人員(派遣労働者)を現場に入れていなくてはいけない。
なので、当日無断欠勤など言語道断である。
当然、怒る。
来ない派遣に電話をして、キレている姿をよく見た。
何で無断欠勤などするのか?
後から欠勤した奴に聞くと、
『両親が病気になった』
『身内に不幸が…』
『風邪を引いた』
…ま、怪しい理由だが、その真偽はわからない。
しかし、その理由が本当ならそのままそれを電話連絡すれば良いではないか?
何故、それが出来ない?
もちろん、"嘘"だから主張出来ないし、連絡できないのであるかと思っていたが、最近それだけではない事に気が付いた。
連絡できない人間の"心理"だ。
我々が誰かに"連絡"する際、そこには『連絡をする人間』と、『連絡を受ける人間』が生まれる。
そこには人間関係の"上下"ができてしまう。
誰もが、連絡する側より、連絡を"受ける"側にいたい。
他人にあれこれと説明しなければならない人間にはなりたくない。
『説明をされる』人間でいたいのだ。
だから、欠勤の連絡が出来ず、無駄で欠勤してしまうのだ。
もっと言えば、欠勤する側の人間からすれば、自身の意思、言動などをいちいち連絡などせず"浸透"するのが当たり前であり、それを説明するなど"愚か"な行為でしかない。
だから、連絡できない。
必要な人間に連絡できない。自分の意思を、自ら言えない。
"根回し"が出来ない。
言えない人間からすれば、『そんなもん、言わなくても分かるだろ?』なのだ。
しかし、それでは組織は回らない。
単なる"ワガママ"でしかない。
貴乃花親方が連絡や根回しをしたがらない理由はおそらくこれだろう。
独断専行の多い人間にしばしば見られる行為だ。
本人からしたら、悪気や周囲の人間を困らせれ気持ちは無い。
『連絡しなくても誰も困らない』と思っているからだ。
もしくは「言わなくても分かるだろ?」という事だ。
これが、"連絡できない症候群"だ。
皆さんの周りにもいないか?
俺の周りにはよくいた(いる)な……。