今まで経験した職場で、何かあると「辞める!」と言い出す奴が必ずいた。
一人はいた。
「もう辞めるてやる!」
それが新人などではなく、ベテランや長く勤め上げた人がそう言い出すのを何度も見た。
その多くは自分が辞める事を『取引先』の材料にして、待遇や自分の意思を押し通そうする"駆引き"だろう。
辞めると言い出し、『辞めちゃうの?』と困らせるのが目的、
姑息な手だ。
自分の"立場"と引き換えに、自分の意思を天秤⚖️にかけさせるのだ。
何かあれば、「辞める」と言い出す事自体は悪くない事だと思う。
その組織、居場所、グループが自分の思い通りにならず、自分の意思を実行出来ないのなら、去る。
自分が必要にならば、自分の"要求"を通せ。通さないならば、その場から離れる。
ごくごく当然の話だ。
だが、あまり上手い"策"ではない。
この『辞める』は1度しか使えないだろう。
何かある度に『辞める』と言い出しては効果が薄くなる。
『辞める』と言い出す人の問題は、『自分の目の前にある、自分ではどうにも出来ない物事をどうするか?』なのだ。
社会に出たら、自分の思い通りにならない事が多い。
その度に『辞める』と自分の身を"捧げる"のは稚拙であり、短絡的だ。
そして、危険だ。
存在か、消失。
継続か、断絶。
生か、死か。
そんな"選択"しかできなくなる。
それで"消えて"しまった馬鹿を俺は何人か知っている。
俺が絶対に認めたくない人間だ。
自分の思いが通らなければ辞める。辞めないと納得がいかない。
それはまた"思い込み"だ。
別に辞めなくても、良いのだ。
自分の思い通りにならない物事が起こったら、それを前にして考え、時に抗い、妥協して、乗り越える。
『辞める』は"逃亡"だ。
それも時にはアリだと思う。
『他人を"排除"したがる人間は、やがては自分を"排除"する』
自分を『辞めて』はいけない。
困難に挑まず、すぐに自分の身を捧げるのは、間違っている。
『辞めたら、どうにかなる』などは"幻想"だ。
辞めてもどうにもならないのだ。
取り組まないと、いけない。
物事は変わらない。
辞めるから、何かが変わる事は無い。
辞めても変わらない。
それを思っておくべきだ。
辞めてはならない。辞めてどうにかなる事は無い。
"逃げ"るのは良い。
また違う方法を探して、挑むのだ。方向を変えるだけだ。
『辞める』先にあるのは、自分の思い通りに成らなかった"現実"だ。
思い通りにならない世の中、社会をどうするか?
それを感じ、考え、争うしかないのだ。
逃げても良い。
消えるな。