鈴木篠千の日記

2度目の移籍。浜松近郊でフリーライターしてます。①日記(普段の生活やテレビの話題と社会考察) ②プロレス心理学(とプロレス&格闘技の話) ③非居酒屋放浪記 ④派遣録(派遣していた&いる時や過去の話)

プロレス心理学111 リアリティーと悪役(ヒール)

スターダムのプロレラー木村花が亡くなった。

自殺のようだ。


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ワイドショーやネットで大きな話題になっている。

テラスハウスという“恋愛リアリティーショー”に出ていて、その言動がネットで相当酷く誹謗中傷されていたらしく、それが原因と思われる。


プロレスオタクだが、女子プロレスはあまり観ない俺でも、彼女の事は知っている。CMとか出ていたよね?

プロレス雑誌でもよく見る選手であった。


テラスハウス』は観ていない。

また、ネットでの誹謗中傷も内容は知らない。そんなに酷い内容だったのか。

また、彼女はその番組(テラスハウス)で、何をしたのか。ネットで大バッシングされるような事をしたのか。


俺が気になったのは、この『テラスハウス』が恋愛リアリティー“ショー”という事だ。


“ショー”は観客を興奮させるように“作られている”

“リアリティー”なのだが、“ショー”なのだ。

つまり、彼女がいくらおかしな事をしても、それは観客(視聴者)を楽しませるパフォーマンスでしかない。

まさに“悪役(ヒール)”だ。

“悪”という“役”を演じているに過ぎなかったはずだ。


では、テラスハウスは“リアル”(真実)ではないのか。


それは微妙なところだ、と思う。


例えば、喧嘩している2人の人間に、「こっち、見て!」とカメラ📸を向ける。

喧嘩していた2人は、カメラ📸に向かい、ニッコリと微笑む。

そこを、パチリッと撮ったとしよう。

出来上がった写真には、カメラに笑顔を向ける2人が写されている。


それを見た事情を知らない第三者は何とか思うか?

(仲の良い友人だなぁ)と思わないだろうか?


この場合、喧嘩していた2人は、第三者を“騙して”いたのか、喧嘩は“リアル”ではないのか、喧嘩は“演技”だったのか…。


それは違う。

喧嘩はリアル(事実)だし、また写真に写されていた2人の笑顔もリアル(事実)だ。


誰もが、カメラの前では『第三者に良く思われるような』表情を見せるのだ。


これを向社会的行動(prosocial behavior)とか、アサーションと言う。


カメラ📸を向けらた人間は無意識に『社会的に好まれよう』とする行動(ポーズ)を取る。


この写真の話は、聞いた事のある人も多いだろう…。


つまり、彼女は『テラスハウス』の前で“その行動”をしていたに過ぎない。

“演技”ではない、でもリアルでも無い。社会的に“求められる”行動だ。


それが、多くの人に不快感を与える行動だった。

何故、そんな事をしたのか。


それは、彼女が“プロレスラー”だからだ。


何度も書いているが、プロレスはショー👯‍♂️だ。


観ている我々(観客)を興奮させる為に、悪“役”が様々な“悪逆無道”を行う。

全ては、観客(視聴者)の為である。


彼女が番組内で、見せた姿に怒り、呆れ、ブーイングする事で、観ている我々は興奮するのだ。

多少、“演出”が入っていたのかもしれないが、その行動は、彼女の“アドリブ”であり、そうするように製作者(スタッフ)から期待され、自分から求めただけ。


それが“ショー👯‍♂️”だ。


“リアリティーと言いながら、“ショー”なのだから、そこには“興奮させる要素”が入る。

彼女は、その要素を“悪役”として行っていただけ。


そんな彼女を見て、罵詈雑言を浴びせるのは少し冷静さを欠いていないか。


確かに俺もバラエティー番組などで、芸能人がおかしな発言をすると、『このバカは💢が!』と思ったりする。


だが、それはショーである。


俺(観客)にそういう風に“思わせる”ように振る舞っていたり、編集でそういう感じに“見せて”いるだけなのだ。


冷静になれば、分かるのではないのか。


何故なら、テレビ番組もプロレスと同じで、視聴者を興奮させないと、“盛り上がらない”からだ。


“リアリティーショー”を見て、「何だ、アイツ💢!」と怒るのは良い。

 

だが、番組が終わったら、「あー、楽しかったぁ👊😆🎵」と思えば良いだけだ。

それを、「死ね!」とか「消えろ!」などとネットで発言するのは冷静さを欠いている。

そんな事をしても意味が無いからだ。

それは、“そういう風”に思われる為の彼女の“技”だ。

何故、そんな事をする?


何故なら、ショー👯‍♂️だから…。

観客(視聴者)を興奮させる為である。


冷静になれよ。

他人に「死ね!」と言うほどの事じゃねぇよ。


彼女に怒っていた連中、“アマチュアだ。

所詮、“ショー”の見方も分からない素人だ。


こんなもん、無視すれば良かったのに…💧💧💧

 


それでも、俺は言いたい。


やはり、自ら死を選ぶ人間を俺は、認めたくない。


『誹謗中傷に我慢しろ』とは言えないし、“ショー”を理解できない人間の言葉など聞くに値しないと思うのだが、


自ら死んではいけない。死んで欲しくない。

 

「誹謗に強くなれ」などと無責任な事は言えないが、生きていて欲しかった…。


生きて、何年後かに、「…あの時は、キツかったわ~」などと笑顔で振り返って欲しかった。


彼女を追い込んだ奴らは、ショーの見方も分からない“素人”(アマチュア)だ。冷静になれない、悲しい“観客”だ。

悪役を“悪”と勘違いして、“魔女狩り”でもしていた気になっていたのだろう。

その“代償”はデカい。

そして、彼女の“プロレス”を楽しみにしていた“玄人”のファン(観客)の哀しみは計り知れない。

 

今日は、20年前に『船木vsヒクソン』の“死闘”が東京ドームで行われた日だ。

死ぬ気で戦った船木はヒクソンのスリーパーで“オトされた”

 

1996年、バス・ルッテンに負けた船木はマイク🎤を握って言った。


「明日からまた、生きるぞ…」

 

彼女にも“明日”を“生きて”欲しかったなぁ…。