鈴木篠千の日記

2度目の移籍。浜松近郊でフリーライターしてます。①日記(普段の生活やテレビの話題と社会考察) ②プロレス心理学(とプロレス&格闘技の話) ③非居酒屋放浪記 ④派遣録(派遣していた&いる時や過去の話)

プロレス心理学112 シンプルという“信者”

「もう、面倒臭いんだよ!」

 

俺の知り合った“上司”という人間たちが、共通して言っていた言葉だ。

“彼ら”は総じて、“シンプル”なやり方、道筋を好む。

少しでも“複雑”な仕様を猛烈に嫌う。

 

「何で、そんなにややこしいんだ!」とよく怒って💢😠💢いた。

 

その言い種には腹が立ったが、少し理解出来た。

俺も少しの複雑さで癇癪を起こすクズ野郎だからである。

 

『物事はシンプルが良い😃💕』

 

分かる話だ。

何で、簡素化出来ないのたろうか?

そうすれば、とても便利なことが、何故か複雑化されてしまい、便利では無くなる事はよくあるのでは?

 

上司はバカには腹が立ったが、彼らの怒り💢は少し分かった。

…特にそれを俺にぶつけなければ。

 

そして、年齢を経て、さらに理解できたことがある。

 

『世の中は、面倒臭い事しかないのではないか?』

 

…という事た。

『何で、いちいち複雑にするんだよ!』は、『そういう事が世の中の全てでは?』と言えないか?

社会に出たら、全てが総じて“面倒”である。

“簡単”な事など、ほぼ無いのだ。

 

それが分かっていないのでは?

 

『もう、面倒臭いんだよ!』は所詮、それまでの人生で複雑で、繁雑で、ややこしい事を避けてきた、“経験値”の少ない、人生経験の無さを吐露しているのではないか?

 

恥ずかしいヤツらである、と言える。

 

今、政府が給付金や支援金を配っている。

よく「手続きがややこしい!」と怒っている人がいる。

ま、本当にそうだし、遅いかったりもする。

だが、“ややこしい”は仕方ないのでは?

 

「遅い!」は言えるが、「手続きがややこしい」は、最初からそういうものでは無いのか?

 

焦る気持ちは分かる。会社が“瀬戸際”という人も多いだろう。

だが、ややこしいのが当たり前であり、批判を覚悟で言えば、『元々ややこしい』ものではないか?

“今さら、複雑さを言うのか?”と思う。

 

「でも、簡単な方が良いだろ?」と言われたら、頷きたくもなるが、普段からその“ややこしい事”を他人任せにしてきたヤツらが、“ややこしい!”と怒るのは、見ていて“恥ずかしい”

 

『シンプル イズ ベスト』は必ずしも“ベスト”出はない。

それは、“シンプル”の度合いが人によって違うのであり、“シンプル”では困る事も世の中には多い。

 

『シンプルが一番』なら議員や、事務仕事をしている人間は要らなくなる。

 

プロレスには複雑な“約束”が多い。


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試合序盤の“ロックアップ”などの展開…。


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相手の技を“受けきる”というレスラーの姿勢…。

 

「そんなもん、八百長だろ?」「所詮、お芝居だろ?」

と言うのなら、その通りた。

プロレスはショー👯‍♂️である。プロレスは、プロレスラーが“協力”しあい、こちら(観客)を興奮させるために“闘う”。

だから、不自然さがあり、

だから、“リアル”ではなく、

だから、“複雑”な“展開”が存在する。

 

そうしないと、こちら(観客・視聴者)が興奮しないからだ(…しないと思うから)。

 

それが“おかしい”とか、“ややこしい”というのなら、


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“リアルファイト”(MMA)を見たら良い。

リアルファイトは、シンプルだ。

 

闘う2人が、単純に“どちらが強いか、弱いか”を決めてくれる。

組織、上下、貸し借り、人間関係など関係ない。

実に“シンプル”に勝敗が決まる。

それが、リアルだ。

 

だが、それが“楽しいか?”、“興奮するか?”は別だ。

リアルだから、必ずしも楽しいわけではない…。

(無論それはプロレス側もだか…)


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プロレスでなければ、人間がこんな風に、人間からの攻撃で頭から落ちない。

これは“プロレス”だからだ。

 

これを“複雑”というのか?

それとも“シンプル”というのか?

 

「ややこしいんだよ!」、「簡単なのが一番だろ?」という人間は、“シンプル”の“信者”だと思う。

 

“シンプル”だから、余計な事を考えなくて良い。

“シンプル”だから、分かりやすい。

“シンプル”は早い。

“シンプル”だから理解しやすい。

 

それはそうなのだが、複雑さの拒否は総じて、“プロレス”的な“興奮”の否定だろう。

何故なら、プロレスは複雑だからだ。

『シンプルな試合運び』などとアナウンスしても、そこにはそこに至るまでの“複雑さ”があるからだ。

 

複雑さの中に、興奮がある。

『世の中は全て複雑だ』

ならば、やはり『世の中はプロレス』ではないのか?

 

プロレスにある様々な(複雑な)決まり事…。

 

“シンプル”なリアル(真剣勝負=総合格闘技)は、興奮するようになっていない。

複雑さが興奮を呼ぶのなら、簡素化された闘い(リアル)は興奮を呼べない。

 

“シンプル”の信者の日常は、簡単で、自身に都合が良く、分かりやすい。

 

だが、興奮は無い。得られない。

 

“シンプル”は独り善がりであり、自分の都合しか考えず、個人主義の“我欲”の強い、利己主義でしかない。

 

「もう、面倒臭いんだよ!」と怒る心理とは、「何で、俺の“思った通り”にならないんだ!」という、稚拙な怒りだ。

…取るに足らない話なのだ。

 

確かに『遅い!』『何で、ここまでややこしい!』と思う事は多い。

「『興奮が無い』って、別にそれを望んでいねぇよ!」と言いたくなるだろう。

 

だから、言っておきたい。

『あなた方の望むものは、“複雑さの中”にあるよ』だ。

 

「ややこしい!」から、簡単な“答え”があり、

「面倒臭い!」から、シンプルな“結果”が得られるのだ。

「面倒臭いんだよ!」などと言っている限り、あなたは絶対に“シンプル”な結果は得られない…。

あなたは、あなた自身を“シンプル”にしてしまうだろう…。