鈴木篠千の日記

2度目の移籍。浜松近郊でフリーライターしてます。①日記(普段の生活やテレビの話題と社会考察) ②プロレス心理学(とプロレス&格闘技の話) ③非居酒屋放浪記 ④派遣録(派遣していた&いる時や過去の話)

6/30 切る人、切れない人

俺の友人に『~と思う』と必ず語尾に付ける男がいた。

日雇い派遣の時にも「~と思います」と必ず付け加える。

言い切る事を物凄く嫌悪するのだ。

自分に自信がないのか、後から挙げ足を取られるのが、小心者なのか、絶対に言い切らない、切れない。

そのくせ、やたらと話しかけてくる。

で、俺が「そうなの?」と尋ねたら、また「…と思う」と“逃げる”


そんなに用心するなら、黙っておけば良いと思うのだが、彼は積極的な時はかなり積極的だ。


時折、その態度に俺は怒声を放ったりした。


「俺が自分の思っていることを話して、何が悪いんだ💢」と逆に怒られた事もある。


確かにそうだ。

「…と思う」のは人の勝手、自由だ。

ミスカノ意見を述べている、とおもえば何も困った事はない。

こちらが持つ“印象”の話だ。


昔、とある相場師がいた。

株の“値上がり”を神がかり的に当てて、評判になった人物で、バブル期の有名人の一人だ。

その人物はとにかく“言い切る”るしい。

「◯◯の株値が上がるよ」

「◯◯◯は、必ず買いな。間違いない」

と言う感じ。

もちろん、外してもいたが、その事にはあまり文句が出ない。


何故か?


『言い切る』からだ。


よく『人は結果を求める』という。

それは言い換えたら、『結果の分かっているものを求める』となる。

株の値上がり、値下がりなど、早々に予測できない。そんなもの誰もが分かっている。

その“相場師”の言葉も、皆、内心は『ま、そうかもな…』とか『ダメなんじゃないか?』と思っていたに違いない。


だが、その相場師は数十億円も集めていたようだ。

皆、そう怪しみ、訝しみながら、金💴は出すのだ。

それは彼女が“言い切る”からだ。

そこに“強さ”がある。

『そんな事、無いだろ?』だが、『ま、一応、少しは“乗っておく”か?』で金💴を出す。

人は『信じたいものを信じる』のである。

言い切る相場師は、確率や希望を越えて、信頼を得ていたのだ。


翻って、「◯◯だと思う…」という言葉どうだろうか?

「それは、お前の思い込みだろ💢」と言われてしまう“余地”が出ている。

言い切ってしまえば、それは無い。

もし間違っていても、後から「あっ、ごめんねー」と言えば、大丈夫だ。

言い切った内容が、現実離れしていれば、しているほど良い。

何故なら、聞いた人が『そんなもん、無理だ』と最初から思っているからだ。


そんな“言い切り”を連発したら?


人は無理な失敗は印象が薄くなるが、慮外の成功はいつまでも残る。

実に印象が良いのだ。


常に“言い切れば”、それだけで有利なのかもしれない。


欲しいのは勇気だけ。 言い切る勇気。後からとやかく言われて平気なメンタル。

予測が間違っても、(…そりゃそうだろな)で済んでしまうだろう。