鈴木篠千の日記

2度目の移籍。浜松近郊でフリーライターしてます。①日記(普段の生活やテレビの話題と社会考察) ②プロレス心理学(とプロレス&格闘技の話) ③非居酒屋放浪記 ④派遣録(派遣していた&いる時や過去の話)

プロレス心理学⑪ 他人幻想(ストレンジャーズ・イリュージョン)

他人を支配し、自分の思うようにしたい人間は社会において、どんな行動をとるのか?

それは、"自分の為にある小さなグループ"を作る、である。

小さい規模で言うのなら、ママ友サークルや小学生の仲良しグループ。
大きな規模なら、政治家の派閥などがそれだ。

そこにいる限り、みんながアナタを持ち上げ、指示に従い、アナタの為に"動いて"くれる。
そこの"リーダー"や"中心的な存在"であれば、アナタは傷付かないし、損もしない。そのグループにいる他人は皆、アナタの"部下"だ。

人間は、こんな"小さなグループ"が大好きだ。
どこでもこんな"グループ"を作って、己の威を張りたがる(俺もね…)

そうして、グループ内の他人を支配し、悦に至る。

悲しく、矮小な人間である。

だが、他人は判らない。
表情では、従順にしながら、腹の底では違う気持ちで"裏切り"の機会を待ち構えているのかも?

だから、こうした"グループ"の"リーダー"は裏切りを許さない。
少しの反抗、自分の意に賛同しない事も、いつもと違う反応であることも許さない。
グループ内において、他人は自らに支配されるべき存在であり、何においても、自分を"1番に考えて"もらわないと、頭に来るのだ。

しかし、だ。
繰り返し書くが、人間は自由だ。
どこで何をしようと、何を考えようと、誰と話そうと、アナタを裏切ろうと自由だ。
それを規制する事など出来ない。

だが、我々はいつも他人に怒る。

何故、自分の思った通りにしないのか?
何故、自分の思うような言動をしないのか?
それが1番良くて、1番すばらしく、誰も損しないのに…。

この、他人に対する勝手な"思い込み"を、俺は

『他人幻想(ストレンジャーズ・イリュージョン)』

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(注 これはエメラルド・フロウジョン)

と呼んでいる。
"他人"を"stranger"(奇妙な人)としたのは、自己にとって、他人は常に従うことの無い"奇妙な人間"だからだ。

他人は、自分の思った通りにしたら、幸せになるのに、それをしない奇妙な人だ。
(…もちろん、他人から見た自分もstrangerである)


自分が思った通りにすれば良い。
他人は自分の思うように動く、話す。

それは全て"幻想"だ。
幻である。

プロレスラーが言う「最強だ!」と同じだ。
勝敗の決まっている試合を見せるレスラーの言う「最強」は「最強」ではない。

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では、『全くもって"最強"ではないのか?』と言えば、そうではない。

そのプロレスを"真剣勝負だ"と信じる人間には「最強」であり、そのグループ(プロレス団体)内では"最強"である。
最強でなくてはならない、とも言える。

そうでないと、プロレス(社会)や、そのグループ(組織)は始まらない。

だが、全ては"幻想"だ。

何故なら、人は皆、自由であり、誰かの意のままに動くことはない。
仮に動いたとしても、それには理由がある。(金、信頼、尊敬など)

たぶん、そんなことは分かっている。

だから、社会(プロレス)は幻想の中にある。

『他人は自分の思うようになる』為に、人は他人を様々なもので"支配"する。

無理だとわかりながら、"幻想"に引きずり込む、ハメ込む。
そうしないと、自分の存在を確立し得ないからだ。

自分が自分の勝手を求めるように、他人も他人の勝手を求める。

自分の勝手(自由)は認めて欲しいが、他人の勝手(自由)は認めない。
だって、自分が一番だからだ。

自分を一番にしている限り、他人は"自分の範囲"において、自由にすれば良い。

それなら、大丈夫。

なので、グループを作る。
自分の、自分による、自分の為のグループ。

そこにいれば、自分も他人も皆、幸せだ。
うるさい他人や、いちいち逆らってくるバカはグループから出ていけ!
ここの"リーダー"は俺だ!

…という、"幻想"である。

こんな幻想をみんな持っている。
やはり、俺もね…。