鈴木篠千の日記

2度目の移籍。浜松近郊でフリーライターしてます。①日記(普段の生活やテレビの話題と社会考察) ②プロレス心理学(とプロレス&格闘技の話) ③非居酒屋放浪記 ④派遣録(派遣していた&いる時や過去の話)

プロレス心理学33 無言

俺は癇癪持ちである、と自分でも思う。
腹が立つとすぐにキレて、周囲に当たり散らす。

また、口も悪い。
年上だろうが、他人には不遜な態度をとり、舐めた言葉を吐く。
礼儀なと、糞喰らえだ。
いざとなれば、悪態を吐き、他人を怒鳴り、暴力的にさえなる。
自分が"制限"される事が大嫌いだ。

とんだ"クソ野郎"だ。

非常に不快に存在で、他人からは迷惑な存在である。
礼儀知らずのわがまま野郎だ。

それが、7年前に脳腫瘍を患った。
大脳と小脳の間に出来た大きな腫瘍は、2回の手術でようやく除去され、私は一命を保った。

だが、身体へのダメージは大きく、特に言語中枢に深刻な障害が残った。
俺は言葉を失った。

…と言っても丸っきり話せなくなったわけではなく、言語療法などのリハビリで日常生活には支障がない程度には回復している。

だが、以前とは違う。
数年前まで、
俺の話し方は呂律が効かない為に、まるで酔っぱらいているような話し方になっていた。
今も、話し方はおかしいし、以前とは確実に違う(と俺は思う)。

なので、2回目の手術後、俺は他人とあまり言葉を交わさなくなった。
話していて、

「えっ? なんて?」

と聞き返される度に頭に血が上ったからだ。

自らの声や話し方が以前と違うのは分かっている。
聞き返されて当然、とも思った。
そうして、話さなくなり、沈黙を旨とした。

すると俺の周りで奇妙な事が起こりだした。

仕事が定まらず、様々な職をこなすのだが、"無口"な俺に対し、他人は横柄な態度を取ったり、悪態を放って来たりするのだ。
元来俺は、そんな他人の"攻撃"に我慢出来る質の人間では無い。
たちまち、

「うるせぇ、馬鹿野郎!」

が出る。
すると皆、こういう。

「おまえ、口悪いな…」
「印象と違う…」
「もっと大人しい奴だと思っていた…」

まるで詐欺に遭ったような顔で言う。(©RHYMESTER)

いい迷惑だ。

俺は元々こういう性格だ。
嫌な奴はとことん嫌うし、詰る、怒鳴る、蔑む。

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それが俺だ。
何故、勝手なイメージを付ける?
何故、『大人しい』と思う?

どうも俺は静かにしていると、大人しく舐められ易く見えるらしい。それが分かった。

だが、それは他人の勝手な"思い込み"だ。
俺は元来、癇癪持ちですぐに頭に血が上る、どうしようもない人間なんだ。

俺が「うるせぇ、馬鹿野郎!」となると、皆、まさに"詐欺"にあったかのように印象との違いを挙げて俺を非難する。

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いやいや、それはお前らが勝手にそう思い込んだだけだろ?

それは俺のせいじゃないだろ?

そう言いたい。

以前、『人は印象が9割』という話を聞いた。
確かに、他人は他人を外見で判断する。思い込む。
それしか判断材料が無いのだから仕方ない。
俺もそうだ。
他人に対し、外見や第一印象からその人間性を想像する。思い込む。

もちろん、それが外れる事がある。
優しいそう、と思っていたらとても怖い人だったり、気が弱そうに見えたら、とんでもなく強かったり…。

それは俺の勝手な思い込みである。
そうとしか思えないかもしれないが、思い込みだ。
騙された訳ではない。だから、自分に怒っても、その他人には怒れない。
"そういう人間"なのだからだ。

そこが、違う。

どうも人間は他人が自分の思った通りでないと苛立つようだ。
他者が己の思惑の中や想像通りの言動をしないと、頭に来るらしい。

まさに『他人幻想』(ストレンジャー・イリュージョン)だ。

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(これはエメラルド・フロージョン)

何度も書いているが、他人は誰かの思惑通りには動かない。
何をしようと、何を言おうと、何を考えようと、その人の勝手だ。
誰にも制限出来ない。

だから、印象と違っていようが、それ自体に罪はないはずだ。

…ひょっとして"わざと"従順なふり"をしたり、"真面目なふり"をしているかもしれない。(俺のように…)

もし、そうだとしても、それは"見抜けぬ"人間が悪くないか?

従順、真面目、礼儀正しい、爽やか…。

人間や世間、社会が他人に求めるのは、そうしたイメージだ。
だがら、人間はなるべく"そういう人間性"を演じる。

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だが、それが"演技"である事は、誰しも分かっていないか?
プロレスのマスクマンの正体が調べれば分かる事や、"正体がある"こと自体などと同じだ。

以前も書いたが、誰もが"建前"という覆面を被っている。

その裏に"劣悪な"素顔が有ることを知りながら、だ。

言葉を"失った"(喋れるけど…)俺に対する社会の『大人しい奴』という印象(覆面)は、全くの"思い込み"だ。

"無言"な俺は、決して無言なわけでは無く、必要とあらばいつでもサミング(目潰し)をかまし、"シュート👉"(リアルファイト)を仕掛けてくる"厄介な"存在だ。

嫌なら、俺と関わるな。

こんな馬鹿に対する一番の対策は、『関わらない』事だ。

実際、俺と仕事した他者の中には『もいう二度と仕事したくない!』と思った人間もいるはずだ。

そう思うなら、関わって来なければ良い。

ま、アンタがそう思っても、俺に"用事"があるならグズグズに関わらせていただくがな…。

"無言"だったここ数年…。
俺は他人が自分に勝手に抱く"想像"を大体判別できるようになった(つもり)。

だから、これからはその"覆面"を脱いで行こう、の思う。
だが、俺の狂った言語中枢は残念ながら、一生このままらしい。
脳腫瘍になどなりたくなかったし、言葉も失いたくなかった。

何だか、無理やり覆面を被せられた気がするが…。

だが、俺は決して大人しく、真面目な人間ではない。
薄汚く、狡猾で、酷い人間なんだ。

そんな俺の心理をこれから"ブラック会社"退職後から思い出して行こう。