鈴木篠千の日記

2度目の移籍。浜松近郊でフリーライターしてます。①日記(普段の生活やテレビの話題と社会考察) ②プロレス心理学(とプロレス&格闘技の話) ③非居酒屋放浪記 ④派遣録(派遣していた&いる時や過去の話)

プロレス心理学122 大仁田ポジション論

 

先のひろゆきさんの“ポジション”の話で思い出した男がいる。


大仁田厚だ。


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少し前のネット記事で、彼が、“テレ朝の『しくじり先生』への出演を断った。理由はしくじってないから”と書いてあったのを思い出した。


大仁田は“しくじってない”のか?


去年だったか、とあるプロレス団体の新社長が、「以前、大仁田にお金💴を貸したが、全く返済が無い」と暴露した。

それに対し、大仁田は「ならば、アンタの団体に俺を上げろ。マットの上で誠意を示す!」と返した。


めちゃくちゃな話だ。

この話だけでも、大仁田は“しくじって”ないか?


「金返せ」と言われて、「ならば、プロレスをしよう」というのだ。(相手はプロレスラーではない)


意味が分からない🤷‍♀️


だが、この記事を読んで思った。

『何だ、コイツ?』ではない。


『相変わらずの“大仁田劇場”かよっ!?』である。


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大仁田厚は、他人を自分のペースに引き込むのがとても上手い。プロレスだ。プロレスに引き込むのが上手い。

大仁田のプロレスとは、大仁田劇場である。

 

誰かと揉める

相手の近くに現れて、挑発(例『跨ぐなよ…』)

対戦

「オイっ×3」と、怒鳴り立て、汗と涙でぶちキレ

「これがオレじゃ!」と言って、ファン(信者)ひ大熱狂🔥

 

…毎回ほぼ、このパターン。

もう何十年とこうしたやり取りをしている。

引退と復帰を繰り返しているのも、もう当たり前だ。

 

過去には…、


新生FMWでは、無理やり復帰して、現場を混乱させた。プロレス雑誌上は、『かつてのライバル(ポーゴ)とケリを付ける!』としてであるが、恐らくまた注目を浴びたかったのだろう。


だが、フロント陣、後輩レスラーは大仁田の扱い方に困っていたようだ。


また以前、大仁田は定時制の学校に通っていた。

そして、卒業式で担任の教師を巻き込んでプロレスをしていた。

リングを組んで、ファイヤーサンダーパワーボムピンフォール勝ちしていた。

で、先生と肩を組んで「ファイヤー!🔥」


…よく考えたら、全く意味が分からない(笑)


汗と血だらけになり、「ファイヤー🔥!」と叫べば、そこは大仁田厚の“世界”であり、それだけで、全て大仁田のペースで進む。

 

大仁田は、全てプロレスで押し通す。


国会議員になっても、プロレス。

批判されても、プロレス。

引退と復帰を繰り返しても、プロレス。


最近ではクズ芸人のクロちゃんをリングに引っ張りだそうとしたり(上がった?)、新団体FMWとやらを旗揚げしている。


馬鹿馬鹿しいのだが、実のところ、その大仁田を批判するのは、有益ではない。


先の新社長のように「…ならば、プロレスで」となり、最後は「…これが俺の生きざまじゃ!」となって終わる。気がつけば、大仁田のペースになる。


で、観ているこちらも、『あの大仁田だしなぁ』と思ってしまう。ファンではないのだが、認めてしまう。

 

つまり、大仁田は“信者”を作るのが上手い。

『なり易い』とも言える。

 

何度も書いているが、“信者”とは便利な存在だ。

“教祖”様が何しても、何を言っても、『有り』にしてしまう。

こうなれば、信者を作ったもの勝ちだ。

それを大仁田はよく分かっている。“そういうポジション”だと認識している、と思う。  

 

“信者を作りやすいポジション”だ。

その位置取りが、実に上手いのだ。


彼は何でもかんでも、(大仁田の)プロレスに引きずり込む。

電流爆破💣⚡、バリケード、涙💧、汗💦、ファイヤー🔥(?)…。


大仁田に関わると、巻き込まれる。大仁田のペースになるし、そうなる“だろう”と思えるポジションに大仁田がいる。

(「跨ぐなコラっ!」@長州)


アントニオ猪木は、そんな大仁田を『ゲテモノ』と称した。

関わりたくないのだろう。

分かる。大仁田に関わると、全てペースに巻き込まれてしまう。

 

それは、『どうしようもない存在』とポジションを認めたのではないか?


よく大仁田は“邪道”と言われるし、本人も言う。

“本道”に対して、どうにもならない“邪道”というポジションを取ることで、存在理由にして、主張して、関わってくる。

借りた金を踏み倒しても、「邪道」と言う。

無理やりな話なのだが、大仁田にはこの方法しかないのだろう。

そして、観ているこちらも『…あの大仁田ならなぁ』となる。


もうこうなったら、何でもOKになる。


大仁田はポジションを手に入れた、と言える。

賛同、共感、熱狂は歓迎。

批判、嫌悪、侮蔑も大歓迎。(昔、ゴミ投げられていたなー)


大仁田のポジションは実に“美味しい”💢


俺も「大仁田厚など大嫌い」と言うが、プロレス雑誌やメディアでの動きを半分小馬鹿、半分楽しみに見ている。(大仁田、またこんなことやってやがる。馬鹿馬鹿しい)などと思いながら、である。


この“ペースに巻き込む力”、“認めさせる突き抜けたバカさ”、“ポジション取りの上手さ”は『しくじっているか?』と言われたら、全くしくじっていない。

成功であり、突っ込んで言えば、『しくじった』と見せているのも、“成功への方法”と言える。


大仁田はひろゆきさん同様、パフォーマンスがとても上手い。

どこから、どういう風に見られ、攻撃されるかを常に考えて、『プロレスをする』事を念頭に置いている。

 

“大仁田ポジション”と言いたい。

 

だから、「俺はしくじりだ」とは絶対に言わない。

だって、しくじってないから。


例えば、大仁田にMMA総合格闘技)の試合をしよう!』とオファーする。

大仁田は受けるか?


絶対に受けない。断言しても良いだろう。


で、たぶんこう言う。

「ならば、電流爆破💡のリングで決戦じゃー!」

これも断言出来る。


これしかないのだ。

間違っても、自分の“範囲”から出ない。

“勝てる”戦い(広義の意味)しかしない。そういうポジションから降りる事は無い。

どんなに挑発しようが、貶そうが、批判しようが

、そこからは動かない。

それが“しくじらない”と分かっているからだ。


大仁田厚から分かる事は、その“徹底性”だ。

“しくじらない”事に徹底している。 

それは、プロレスからはみ出さない事だ。

相手がプロレスにくるのを待ち構えている。 

 

プロレスから出ない限り、大仁田は大仁田のペースでいられる。

それをよく分かっている。


このポジションの徹底性こそ、見習うべきだと思う。


俺などすぐに頭に来やすい、感情型の人間だから、すぐに相手のペースに乗ってしまう。


俺がプロレスラーなら、大仁田と雑誌やメディアで口論を繰り返し、最後には電流爆破⚡のリングで大仁田と血みどろになり、最後には一緒に「ファイヤー!🔥」などと叫んで、泣きながら💧、抱き合ってしまう可能がある。


絶対に乗ってはダメ。

大仁田のような、ペースに巻き込むタイプやポジションを利用してくる奴とは、距離を取るのが一番だ。