鈴木篠千の日記

2度目の移籍。浜松近郊でフリーライターしてます。①日記(普段の生活やテレビの話題と社会考察) ②プロレス心理学(とプロレス&格闘技の話) ③非居酒屋放浪記 ④派遣録(派遣していた&いる時や過去の話)

プロレス心理学122 大仁田ポジション論

 

先のひろゆきさんの“ポジション”の話で思い出した男がいる。


大仁田厚だ。


f:id:ojpkb:20210526162632j:image

少し前のネット記事で、彼が、“テレ朝の『しくじり先生』への出演を断った。理由はしくじってないから”と書いてあったのを思い出した。


大仁田は“しくじってない”のか?


去年だったか、とあるプロレス団体の新社長が、「以前、大仁田にお金💴を貸したが、全く返済が無い」と暴露した。

それに対し、大仁田は「ならば、アンタの団体に俺を上げろ。マットの上で誠意を示す!」と返した。


めちゃくちゃな話だ。

この話だけでも、大仁田は“しくじって”ないか?


「金返せ」と言われて、「ならば、プロレスをしよう」というのだ。(相手はプロレスラーではない)


意味が分からない🤷‍♀️


だが、この記事を読んで思った。

『何だ、コイツ?』ではない。


『相変わらずの“大仁田劇場”かよっ!?』である。


f:id:ojpkb:20210526162951j:image

大仁田厚は、他人を自分のペースに引き込むのがとても上手い。プロレスだ。プロレスに引き込むのが上手い。

大仁田のプロレスとは、大仁田劇場である。

 

誰かと揉める

相手の近くに現れて、挑発(例『跨ぐなよ…』)

対戦

「オイっ×3」と、怒鳴り立て、汗と涙でぶちキレ

「これがオレじゃ!」と言って、ファン(信者)ひ大熱狂🔥

 

…毎回ほぼ、このパターン。

もう何十年とこうしたやり取りをしている。

引退と復帰を繰り返しているのも、もう当たり前だ。

 

過去には…、


新生FMWでは、無理やり復帰して、現場を混乱させた。プロレス雑誌上は、『かつてのライバル(ポーゴ)とケリを付ける!』としてであるが、恐らくまた注目を浴びたかったのだろう。


だが、フロント陣、後輩レスラーは大仁田の扱い方に困っていたようだ。


また以前、大仁田は定時制の学校に通っていた。

そして、卒業式で担任の教師を巻き込んでプロレスをしていた。

リングを組んで、ファイヤーサンダーパワーボムピンフォール勝ちしていた。

で、先生と肩を組んで「ファイヤー!🔥」


…よく考えたら、全く意味が分からない(笑)


汗と血だらけになり、「ファイヤー🔥!」と叫べば、そこは大仁田厚の“世界”であり、それだけで、全て大仁田のペースで進む。

 

大仁田は、全てプロレスで押し通す。


国会議員になっても、プロレス。

批判されても、プロレス。

引退と復帰を繰り返しても、プロレス。


最近ではクズ芸人のクロちゃんをリングに引っ張りだそうとしたり(上がった?)、新団体FMWとやらを旗揚げしている。


馬鹿馬鹿しいのだが、実のところ、その大仁田を批判するのは、有益ではない。


先の新社長のように「…ならば、プロレスで」となり、最後は「…これが俺の生きざまじゃ!」となって終わる。気がつけば、大仁田のペースになる。


で、観ているこちらも、『あの大仁田だしなぁ』と思ってしまう。ファンではないのだが、認めてしまう。

 

つまり、大仁田は“信者”を作るのが上手い。

『なり易い』とも言える。

 

何度も書いているが、“信者”とは便利な存在だ。

“教祖”様が何しても、何を言っても、『有り』にしてしまう。

こうなれば、信者を作ったもの勝ちだ。

それを大仁田はよく分かっている。“そういうポジション”だと認識している、と思う。  

 

“信者を作りやすいポジション”だ。

その位置取りが、実に上手いのだ。


彼は何でもかんでも、(大仁田の)プロレスに引きずり込む。

電流爆破💣⚡、バリケード、涙💧、汗💦、ファイヤー🔥(?)…。


大仁田に関わると、巻き込まれる。大仁田のペースになるし、そうなる“だろう”と思えるポジションに大仁田がいる。

(「跨ぐなコラっ!」@長州)


アントニオ猪木は、そんな大仁田を『ゲテモノ』と称した。

関わりたくないのだろう。

分かる。大仁田に関わると、全てペースに巻き込まれてしまう。

 

それは、『どうしようもない存在』とポジションを認めたのではないか?


よく大仁田は“邪道”と言われるし、本人も言う。

“本道”に対して、どうにもならない“邪道”というポジションを取ることで、存在理由にして、主張して、関わってくる。

借りた金を踏み倒しても、「邪道」と言う。

無理やりな話なのだが、大仁田にはこの方法しかないのだろう。

そして、観ているこちらも『…あの大仁田ならなぁ』となる。


もうこうなったら、何でもOKになる。


大仁田はポジションを手に入れた、と言える。

賛同、共感、熱狂は歓迎。

批判、嫌悪、侮蔑も大歓迎。(昔、ゴミ投げられていたなー)


大仁田のポジションは実に“美味しい”💢


俺も「大仁田厚など大嫌い」と言うが、プロレス雑誌やメディアでの動きを半分小馬鹿、半分楽しみに見ている。(大仁田、またこんなことやってやがる。馬鹿馬鹿しい)などと思いながら、である。


この“ペースに巻き込む力”、“認めさせる突き抜けたバカさ”、“ポジション取りの上手さ”は『しくじっているか?』と言われたら、全くしくじっていない。

成功であり、突っ込んで言えば、『しくじった』と見せているのも、“成功への方法”と言える。


大仁田はひろゆきさん同様、パフォーマンスがとても上手い。

どこから、どういう風に見られ、攻撃されるかを常に考えて、『プロレスをする』事を念頭に置いている。

 

“大仁田ポジション”と言いたい。

 

だから、「俺はしくじりだ」とは絶対に言わない。

だって、しくじってないから。


例えば、大仁田にMMA総合格闘技)の試合をしよう!』とオファーする。

大仁田は受けるか?


絶対に受けない。断言しても良いだろう。


で、たぶんこう言う。

「ならば、電流爆破💡のリングで決戦じゃー!」

これも断言出来る。


これしかないのだ。

間違っても、自分の“範囲”から出ない。

“勝てる”戦い(広義の意味)しかしない。そういうポジションから降りる事は無い。

どんなに挑発しようが、貶そうが、批判しようが

、そこからは動かない。

それが“しくじらない”と分かっているからだ。


大仁田厚から分かる事は、その“徹底性”だ。

“しくじらない”事に徹底している。 

それは、プロレスからはみ出さない事だ。

相手がプロレスにくるのを待ち構えている。 

 

プロレスから出ない限り、大仁田は大仁田のペースでいられる。

それをよく分かっている。


このポジションの徹底性こそ、見習うべきだと思う。


俺などすぐに頭に来やすい、感情型の人間だから、すぐに相手のペースに乗ってしまう。


俺がプロレスラーなら、大仁田と雑誌やメディアで口論を繰り返し、最後には電流爆破⚡のリングで大仁田と血みどろになり、最後には一緒に「ファイヤー!🔥」などと叫んで、泣きながら💧、抱き合ってしまう可能がある。


絶対に乗ってはダメ。

大仁田のような、ペースに巻き込むタイプやポジションを利用してくる奴とは、距離を取るのが一番だ。

 

 

 

 

 

ポジション論

コロナ“禍”で俺の生活も少し変わった事がある。


いつもは週末や休みにダラダラの浜松の街中で🍺飲んだりしていたか、最近は家にいて、ネットを見る機会が増えた。

特にYouTubeをよく見るようになった。


考察系YouTuberのチャンネルや、元セクシー女優のチャンネル、前田日明のチャンネルはかなり面白く、クセになり、ほぼ毎日観ている。


その中で気になった人物がいた


“2ちゃんね”の元管理人、ひろゆきさんのチャンネル(tiktok?)が凄い⤴️⤴️


最近、よくテレビで見るような気がした。

コロナが流行してから、コメンテーターとして度々見たことのある人物だ。

 

妙に“上から目線”の言葉がイライラしたりした。

そして、驚いた😃


彼の答えるスピードが速い。速すぎる。(そして的確)


例えば、


『東南アジアで起業したいのですが、どうしたら良いでしょうか?』

という質問には、ひろゆきさんは、


「マレーシアの◯◯◯という制度(エリア?)を使えば、数年は法人税がかかりませんよ~。どうですかぁ~」


と、数秒で的確なアドバイス、回答をしていた。

俺はその速さに驚いた。相当頭の回転が早くないか?

 

そのマレーシアの話は有名なのだろうか?

ビジネス界では常識なのかも知れない。

俺が無知なだけ?


返しが速すぎる⁉️


その他の質問にも、数秒も置かずに回答していた。ビール🍺を片手に「~した良いと思いま~す」などとバシバシ答えていくのだ。凄い。


…俺は思った。

「この人、最初に質問を選んで、ゆっくり考えてから、話してないか?」

画面にはひろゆきさんとノートパソコンがあり、おそらくそのパソコンに質問がメールで来て、それに答える様子を撮影して流しているのだろう。

わずか数分の動画の中にバッチリまとまっている。

それも上手い。見やすいのだ。


だから、疑ってしまった。

元々、質問の答えを下調べして、いかにも『それは~』とそこで思い付いたように答える。

観ている方は、その速さ、的確さに下を巻く…という図式だ。

 

そんな穿った見方をしていた。(反省)


そして、同時に頭に来た。

そのレスポンスの速さが、何か『俺って、こんなに頭の回転速いんだよね🎵』とか『こんなに知識かあるんだよね🎵』という自慢に聞こえたのだ。


気になって、本屋で著書が無いか、探してみた。


あった✨✨✨

 

『1%の努力』という著書が出ていた。結構売れているようだ。


立ち読み(失礼)で目を通した。

 

…題名からし『無駄に努力するより、こうした方が楽ちん🎵』という、自己啓発のエッセイかも思ったら少し違っていた。


これは“思考法”の本だと思った。


俺が気になったのは、『ポジション』の項の『コミュニケーションコスト』の話だ。


俺の理解では、

『第三者的なポジション』を保つには『現場のリアル』『経営側の論理』『コミュニケーションコスト』を理解する必要がある、という事だ。


この『コミュニケーションコスト』とポジションに、思うことがある。


あれは高校生の頃、ある日突然、同級生に変な事を言われた。


友「オマエ、女の子とよく話すよな?」

俺「…いや、あんまり話さないけど?」

友「いや、話すだろ? でさー、その時、遊びに誘えよ」

俺「はあ? 無理だよ?」

友「いや、出来る。オマエなら出来る」


断っておくが、高校生時代の俺は女の子と積極的に話すタイプではなかった。せいぜい彼女くらい。むしろ、ソイツの方が女の子と話易いタイプと言えた。

積極性で言えば、話しかけてきた友人の方がよく話す方だった。

(何故、俺を?)と考えて、分かった。


女の子と遊びたかったら、自ら声を掛けたら良い。

だが、それは恥ずかしくて出来ない。

ならば、よく女の子と話をしている奴にお願いすれば? 

だが、それも難しい。


ならば、近くにいていつもヘラヘラしている俺に、女の子と遊ぶ為のコストを“丸投げ”すれば良い、と考えたのでは?

 

無理にコストを背負う必要は無い。

そんな事はこのバカ(俺)に任せたら良い。

 

何故なら、自分はそういうポジションにいるから。


…そう思ったのではないか?

(実際にそうではなかったと思うが…)

 

完全に俺を舐めている。俺に言えば(どうにかな)と思っていたのだ。


その後、俺は頭に来て、ソイツとの交流を止めた。


『ポジション』『コミュニケーションコスト』から考えると、友人は自らお願いする“コスト”のかかるポジションが嫌だったのかもしれない。

だから、それを俺に“丸投げ”したのだ。

(それも舐めた話だが…)

 

大学生の頃、サークル(クラブ)に入っていた。

ある年の春先。我がサークルは大量離脱が起こり、人数が減った。なので、新学期の勧誘には並々ならぬ気合いを入れた。


勧誘自体は俺の同期が奮闘し、なんとかなったが、中に1人、新入生勧誘を全くしない困った奴がいた。

「チラシ、配るだけならどうだ?」と俺は提案してもやらなかった。


何故、新入生を勧誘しないのか?


するとその男は、「勧誘なんてせんでええやろ?」と言い出した。


俺は思った。(コイツ、“新勧”したくねーんだな?)と思った。なんてプライドの高い奴なんだと小馬鹿にした。


だが、これを『ポジション』『コミュニケーションコスト』でみると…、


「ねー、うちのクラブ入ってよ」と勧誘した新入生と、「あのー、このクラブ、入りたいんすけど?」と来た新入生では、その後の対応が変わってこないか?


“入って!”と言った新入生には、こちらは遠慮する。

だが、“入りたいっす”の方には最初から“上”から行ける。

つまり、あれやこれやと手間をかける“コスト”が要らない。


ソイツは、それを言いたかったのではないか?

そうした『ポジション』を手にして置きたかったのかも?

 

社会人になり、ブラック企業”で働いている時、他のグループ会社から移籍してきた副部長が、俺の後輩をベタ褒めした。「天才だ」「君なら出来る!」などと言って褒め称えた。

すると、その後輩は思い上がり👺、おかしな事を言い出した。


ある日、俺のところに来て、


後「…俺、“副部長室”を作りたいんすけど?」

俺「副部長室?」

後「…副部長と一緒に、各部署や店舗を回って、改善点を指摘するんす☺️」

俺「…」


俺は思った。

(…そんな部署、突然出来るわけねーだろ?)


で、そんな事が実現するはずも無く、副部長は他の社員から疎まれ、その後輩もいつの間にか、副部長を糾弾する側に転身した(変わり身、速!)


今から思えば、後輩はそうした“美味しい”ポジションに就きたかったのかもしれない。

副部長の影にいて、自分はあれこれと言うだけのお得なポジション。“コミュニケーションコスト”は全て副部長が負うので、本人は“ノーリスク”。

そんな夢のような“地位”を狙っていたのかもしれない。

 

ひろゆきさんの『1%の努力』の『ポジション』の項目を読んで、そんな事を思い返していた。

人間はポジション(立場、地位)で変わる。


それは俺も同じだ。


ひろゆきさんの『1%の努力』は『努力なんかしても無駄』では無く、『努力の仕方』『考え方』を示すものではないのだろうか?


そう読むと、実に面白い。理解しやすい話が多くあった。

冒頭のスマホも財布も持たずに、一週間、満足に生活出来るか?』という問いは、まさに『生きる力』を考えさせられた。


だが、疑問に思うこともある。


2ちゃんねるが流行っていた頃、ひろゆきさんの元に批判が殺到したらし。

『あんなサイトがあるから、ひどい悪口をネットに書かれるだろ💢』などという事だろう。

確かに『2ちゃんねる』は匿名のネット掲示板で、罵詈雑言が書かれていたりする。


それに対し、ひろゆきさんは、

『公園で凶悪な事件が起こったからといって、その造園業者に訴える人がいるか?』『自分は“場”を提供しただけ』

という。


これは100%正しい。

ネット掲示板のマナーは、ネット(掲示板)を利用する人の問題だ。


包丁の“例”もそうだ。


車🚙なんかもそうだろう。

 

世の中に交通事故がある。非常に痛ましい事だが、だから車メーカーに対し、「何故、あなた方は車なんて造っているんだ💢」という人間はいない。

交通事故は、その事故を起こした奴が悪い(俺のように…)

車🚙は我々の生活になくてはならないものになっている(特に田舎では)

だから、🚙の存在を問題視したり、批判することは少ない。


ネットの悪口は、悪口を書き込む人間に問題がある。システムとして構築した人間は、そこまで責任は無い。


だが、それをどれだけ認識しているか?


俺などはネット掲示板で悪口を書かれていないから、『書き込む人間が悪い』と言えるが、もしネットで悪口を書かれたら?


やはり、(何で、ネットなんてあるんだ💢)とか、(2ちゃんねるの責任者を出せ💢)などと思ってしまうかもしれない。


そして、ひろゆきさんなどから『公園で…』と言われ、怒っていた相手が『そりゃそうか…』などと冷静になるかもしれない。 

で、落ち着き、また違う誰かが非難されだす。


ネットや掲示板などが一般的で、昔からあり、皆が馴れ親しんでいれば、『それは利用する人が…』となるが、日本ではそこまで“ネットリテラシー”が十分に広がっていない。

俺の両親など『ネット=ヤフ』と思っている。


その中で『2ちゃんねるを“造った人間”が悪いのではなく、利用者が悪い』と受け入れる事が出来ているか?

かなり難しい。 

 

また「2ちゃんねるなんて💢」にならないか?


という事は、やはり何かあれば、やはり『ひろゆき、この野郎💢』になり、で誰かが「公園で…」と諭し、理解するという繰り返しを暫く続けなくてはならないのではないか?

“無限地獄”のような話だ。

 

外側から見たら、『ご苦労様』という話だ。


ま、あと10年くらいしたら“消える”ような問題と思える。

何故なら、ネットはほとんどインフラみたいなるだろう。我々の生活に欠かせないものになりつつある。

包丁しかり、車しかり、“使う人間”の意識が補正されたら、“造った奴が悪い💢”という不毛な論議は無くなるだろう。


と、ここまで考えて、思ったら、ひろゆきさんは既に2ちゃんねるの管理人では無い。

もう批判云々というポジションにはいない。

意味が無いのだ。

とやかく言われるポジションには、既にいない。


このポジションという事を考えると、分かりやすい。


『人は感情の動物だ』『自ら考えて、思って行動する』

理路整然と説かれても、納得しない人間がいる。俺もそんな人に時々会う。感情が優先する人間だ。そして、俺もそんな事がある。

小説などを書いているから、少しは分かるつもりだ。

人間は感情や気持ちを抱いてしまう動物だ。 

 

『間違っている』=『だから、やらない』

…とは、ならない事もある。


ポジションというものは人を変えたりする。

安心、安全とも言える。

別の言い方ならば、『管理する責任範囲の確定』だ。


ひろゆきさんのtiktokの質問で、『地方に住んで、月収11万です。どうしたら良いと思いますか?』という投稿があった。

ひろゆきさんは、『あー、それだったら、東京に出て、生活保護もらった方が早いっすね。東京都の生活保護費ってそれくらいなんでー』とまた即答していた。

調べたら、本当にそれくらいだった。

(うわ、よく知っているなぁ)と思ったが、これはよく考えたら解決にならない、いや正確には“説明が足りていない”のではないか?


東京に出て来て、生活保護11万。

半分程度が家賃に消えるのでは?

で、5~6万で生活。


出来るのか?

ま、かなりカツカツだが出来るだろうか。

 

また、生活保護目当てに東京に来て、住民異動届を出した直後に、生活保護の申請ができるか?

 

「できる」と言えるが、心情的に少し嫌悪感を得ないか?


この質問者の意図『これ以上、収入を増やしたいのですが、良い方法ないですか?』ではないのだろうか?

別に今の収入と同額を得る方法が知りたいのでは無い。

上のひろゆきさんの答えは“凌げる方法”だ。回答とは少しズレている。

(このズレの話もよくでていたな)


だが、これを『地方ではそれが限界だろうが、東京ではこうして同じくらいの収入があるのだから、まずはそこから始めて、さらに良い収入を得る方法を考えてみたら?』と解釈し直せば、納得できる。

 

 

そして、ポイントは、これをひろゆきさんが言う必要はない。

 

質問者が見極めて、考えたら良いだけ。

責任も無い。

ひろゆきさんは、訪ねられたから本人の知識、経験からレスポンスしたのみであり、責任は発生しない。

 

そういうポジションにいるからだ。

実に上手い。


そう考えると、実にひろゆきさんのこのポジションは“美味しい”

 

よく考えたら、テレビ出演も、tiktokの別にひろゆきさんが“お願い”してしているわけではない。依頼されているだけ。また“嫌になれば”出なければ良いだけ。それでも困らない収入もあるのだろう。


つまり、どう動いても楽なポジションにいる。


これはズルい、のではなく、“そうなるように動いていた”結果なのだろう。

僅かに動く事で、最大の影響を与える。

 

それこそ『1%の努力』だ。


先程、tiktokの動画に『本当は事前に下調べして、即答してんじゃないのか?』と疑ったが、よく考えたら、そんな事どうでも良い。


あの動画の“ポイント”は“速さを見せること”ではないか?

もちろん情報の正確性も必要たが、観ている人にひろゆき、スゲー!』と思わせるのが目的ならば、速ければ、速いほど良い。“調べたら”とか、“考えたら”、はあまり意味がない。


ひょっとしたら、ひろゆきさんは他人に“パフォーマンス”するのが凄く上手く、他人との距離感を取るのにかなり敏感な人ではないのか?


『やられてから、やり返す』と本に書いてあった。

それは『相手が踏み込んで来ないなら、こちらからは行かない』である。

そうする限り、他人はなかなか来ない。

これも“ポジション”だ。

頭に来たかは、すぐ攻撃するような短絡的な人間は意外と少ない。  

 

ひろゆきさんはわざわざ、攻撃を受ける“場”には出て来ないだろう。


ならば、今よく、テレビ出でたり、tiktokに動画上げてんのかな?

…たぶん、別の狙いがあるのだろう。


必要とされない限り、動かない。

自分が必要とされる“場”で動く。


これは仕事場でも言える事かも?


『人間は感情の動物』と書いたが、『感情<ポジション』とは言える。 

 

自動車学校などがそうではないか?


恥ずかしながら、自動車学校に数度通った事がある。

自動車学校の教官がどうも好きになれない。

(なんで自動車の運転の仕方でこんなごちゃごちゃ言われなきゃならん💢)“感情的”になるが、“一発試験”(藤田ニコルが合格していたな)で免許を取る自信などなく、“車の免許”という“ポジション”が欲しくて、我慢した。

我慢できてしまうのだ。

感情は制御している。

出来てしまう。


だから、ひろゆきさんからしたら、『なんだ、この髭生やした選らそうな奴は💢』という人間など相手にせず、『困ってます。話を聞いてくださいますか?』という人間だけを相手し、さらにそれを見せたら、他人からの評価は上がる。


実に頭が良い。

無駄が無い。

自分の“場”を分かっている。


で、飽きたり、嫌になれば、辞めたらいいのだ。

特に問題は無い。

これもポジション。

実に分かりやすい。


ならば、俺のように(…なんだよ、コイツ偉そうに)などと、思うだけ損だ。


動画を観て、参考になりそうな話を参考にして、感情的に受け付けない発言は無視すれば、良いだけ。

何より、俺はひろゆきさんを知っているが、向こうは俺を絶対に知らない。勝負(?)にならないだろう。


美味しいポジションの取り方だけ、見ていよう。

政治姿勢の違い鮮明 立候補予定の川勝氏、岩井氏主張出そろう 静岡県知事選


政治姿勢の違い鮮明 立候補予定の川勝氏、岩井氏主張出そろう 静岡県知事選

 

それぞれの“違い”?

 

リニアは、住民理解。

 

コロナは、ワクチン接種と検体検査&ワクチン

 

経済は、グリーンイノベーションと、ICT

 

違いはあるが、取り止めて、目を見張るものが薄い気がする。

このままでは、川勝知事の“判定勝ち”にならんか?

自民党県連&岩井側はもっと大胆な方針、政策が欲しいところか?

5/23 五輪の夢


f:id:ojpkb:20210523225210j:image

 

東京五輪の開催の是非を討論する番組を見た。

 

俺が思うのだが、

 

この議論は既に遅くないか?

中止するなら去年の年末(実際には11月)が“リミット”たったのでは?

 

あの時に「やる」と決まったら、“完全リモート五輪”にシフトし、政治家、アスリート、我々が五輪開催に邁進し、コロナ感染を徹底防疫する方法を探るのが、大前提だった。

 

「止める」と決まれば、もう完全に諦め、再延期や次回の“パリ”に移動してもらう話をしても良かった。

 

もう遅くないか?

残り100日を切って、今の時点で討論するのは遅くないか?

年末時点で2021年の感染状況が分からなかった、という事もあるが、あの時点で“勇断”すべきだった。(これももう遅いが…)

 

後は、感染しない、させない、五輪を目指すしかない。

Jリーグ⚽や野球⚾が観客を減らして開催している点から、有観客開催は人数制限の開催は可能か?

 

というか、やるしかないのではないのか?

リモート?

人数制限?

 

あるスポーツライターが「五輪は平和の祭典。最悪、“平和について話し合う”とかでも、五輪は五輪…」と語っていた。

 

何となく分かる。

平和を実感出来ない祭典は、祭典では無い。

スポーツの祭典だが、そのスポーツが失くなったのなら、平和という意義だけでも遂げたい、と思う。

 

意義だけを考えたら、五輪で感染が広がる、などとはあってはいけない。

だから、“中止”という話が出るも分かる。

 

 

静岡県知事選の立候補予定者説明会に2陣営 現職の川勝平太氏と自民党推薦の岩井茂樹氏(静岡朝日テレビ) - Yahoo!ニュース


静岡県知事選の立候補予定者説明会に2陣営 現職の川勝平太氏と自民党推薦の岩井茂樹氏(静岡朝日テレビ) - Yahoo!ニュース

 

川勝県政の評価は概ね良好かな?

自民党系の候補との差別化が、ポイントかな?

 

リニア水問題は互いに似通っている。

 

どこが争点?  

“コロナ対応”は国との兼ね合いになるから、知事選の主張には“薄い”か。

 

どうなる?

 

とある高校球児の話(終)

…続き(最後)

 

ある日、例のコンサルタントがやって来て、提案をした。


「どうです、支店、作りませんか?」


街中に新たに支店を出さないか?、と言ってきたのだ。支店、といっても人材派遣業の事務所など、机と電話📞があれば開ける。安いマンションの一部屋を借りてしまえば、後は営業マンが居れば支店が出来てしまう。

…電話📞も個人の携帯📱で十分かもしれない。


コンサルタントが言うには、技術系と工務系の技術系の人材派遣が“本店”“支店”はオフィスワークや販売系の人材派遣を取り扱う。

支店には、今本店にいる営業の中で、一番成績がよく彼を慕っている者を“支店長”として任せる事にした。

『全方位系の派遣を漏れなく行えますよ』というような事をコンサルタントは嬉しい😆⤴️💓そうに述べた。


確かにそうなれば、収益増が見込める。

支店の設立費用を安く抑えたら、さらに増益は確実だ。悪い話ではない。


彼は、(…それは良いな✨)と思った。


もっとも、彼は自分で色んな会社を回って営業し、派遣先を開拓する気持ちが既に失せていた。

工務店を辞め、人材派遣業に“一本化”した頃から、他者に頭を下げて関わろうとする気になれなかった。

そういった“嫌な事・面倒な事”は他人に任せて、自身は応募してきた派遣の面接と現場への割り振りに専念したかった。


彼は、他人から頭を下げられても、自らは下げたくなかった。

高校生の頃のように、皆から一目置かれ、遠慮され、自分中心に形成される“世の中”にいたかった。

もう高校球児だった頃のままでいたかった。


そして、彼の興味は、仕事後の“遊び”の方に移っていった。


彼は、街中に支店を立ち上げた。


コンサルタントの希望に反し、その支店の業績はあまり芳しくなかった。

まだ世の中はリーマン・ショックの傷が残っている時期であり、支店が見込んだオフィスワークや販売関連の派遣先が上手く見つからなかった。


半年後、支店を任せていた営業が、本店の彼の元に来て相談した。

「…僕も社長のように、建築系の会社とかに営業かけて良いですか?」

この時、既に彼自身が営業をすることはなくなっていたのだが、彼はその営業からの申し出を了承した。

何故なら、支店が得た派遣先も「近ければ、本店にゆずりますよ」と進言したからだ。

つまり、支店が本店の営業を“サポートする”という訳だ。

人の良さそうなその営業の申し出を断る理由は無い。

彼は気軽に了承した。


これが、大きな間違いだった。


その営業はかなり頑張った。


本店の営業ら以上に、建築現場、工場🏭系の派遣先を獲得してきた。

派遣会社全体の抱える案件の比率は『本店2:支店8』となった。

本店と支店の“パワーバランス”が崩れだした。

当初、彼は本店の営業社員らに「お前らも、もっと頑張れよ💢」と叱責したりしたが、気が付けば、彼の人材派遣会社はその支店からもたらせる契約で成り立つようになる。

会社はそれなりに儲かっていた。

だが、“部下”と思っていた支店の営業の態度がおかしくなる。

給料の値上げなどは要求しないが、そいつは明らかに彼を小馬鹿にするような態度を示し出した。


頭に来たが、その営業(支店長)からの契約が会社の生命線になっているので、彼は強い態度に出れなくなっていた。


気が付けば、会社はその支店長が実質的に取り仕切るような感じになった。


彼は何とか抗いたかったが、無理だった。

彼に状況を打破しようとする気力がなくなっていた。

40才が迫る彼の体は、高校球児の頃のようなシャープさがなくなり、丸々と太って来た。頭髪も幾分と薄くなってきたので、丸坊主👨‍🦲にした。

派遣の面談、振り分けは支店長の息のかかった事務員が取り仕切り、彼は判子を押すだけになった。


ある日、彼の元に支店長とコンサルタントがやって来た。「…お話があるのですが」と言う。


それは独立の話だった。

街中にある支店を、独立させて欲しい、と言ってきた。

気が付けば、コンサルタントも支店長側に付いていた。

いや、このコンサルタントが裏で糸を引いていたようだったが、気付くのが遅かった。

支店長は言った。

「こちらで契約した派遣先、少しは回しますんで…」

そう言うと、媚びるように笑った。

彼は思った。


(また、騙された…)


彼は独立を許可した。許可するしかなかった。


支店長(となった元営業)は、新しく出来た人材派遣会社の社長になり、彼はそこの副社長となった。

変わりに彼の会社の副社長に、その“元”支店長が就いた。コンサルタントからの指南であった。


彼は従うしかなかった。


以前の彼なら猛然と怒っていたのかもしれない。


だが、彼には別の問題が出来ていた。

母親の体調がおかしくなったのだ。

介護が必要なようだった。

 

問題💴はさらにある。


元妻への養育費に、母親の介護代が発生し、彼の“懐事情”は急に厳しくなった。

調子が良かった頃に買った高級セダン🚗を売り払い、軽自動車に変えた。


仕事後に通っていたキャバクラの“お気に入り”の女は、いつの間に店を辞めていた。

「彼氏と結婚しるらしいよ」と彼女と仲の良かった同僚キャバ嬢が教えてくれた。


(…そんなもんか)と彼は思った。

 

2019年。

彼は40になった。

会社は何とか維持していた。

以前いた社員や派遣らは、全て“元”支店長の派遣会社に引き抜かれていった。

彼の会社は、そこからあぶれた派遣や、仕事をもらって“凌いでいる”状態だった。

かつての“大手住宅メーカー”が“元営業の派遣会社”に変わっただけのようだった。

だが、文句は言えない。

そこからの仕事を断れば、営業力が無い彼の派遣会社は立ち行かなくなるからだ。


完全に立場が変わった。 

以前は呼び捨てにしていた“元”支店長を、今は「◯◯さん」と呼ぶようになった。


元妻の元にいる息子には、全く会っていない。会いたくもなかった。こんな“元”父を見せたくなかった。


母親の状態は良くない。

先日も病院で検査したが、認知症の気配が出てきていた。


彼の楽しみは、仕事後に行くキャバクラだけになった。

以前のお気に入りの女には逃げられたが、彼はすぐに別のキャバ嬢を気に入り、足しげく通った。


自分が社長であると言うと、その女は目を輝かせた。小柄で胸の大きな女だった。22才と言っていたが、おそらくもう少し歳を食っているだろう。

それでも良かった。


実は、彼は再婚を考えていた。

40になり、漠然と老後を考え始めていた。

母親の介護もある。

一人で迎える老後を嫌悪し始めていた。

誰かと一緒にいたかった。

 

だが、誰でも、では無い。

 

もう、昔のように誰も彼を“讃え”なくなっていた。誰も遠慮しなくなっていた。高校時代の仲間にはもう何年も会っていない。

野球⚾もしていないし、観てもいない。 

 

高校球児の彼は、いなくなった。

“その頃”の“希望”だけが彼の中に残っていた。


彼は、そのキャバ嬢の送迎🚙を始めた。

軽自動車で彼女の出勤日には必ず車で送迎した。


それくらいしか、日常に楽しい事がなくなっていた。

彼女とは同棲の話が出ていた。

そんな40代を迎えるとは、全く思っていなかった…。


…そして、新型コロナが来た。


《終わり》

 

 

 

とある高校生の話(下)

…続き。


ある日、彼は知り合いの建設業者から紹介されたコンサルタントから、ある話に誘われた。


それは、『人材派遣業をしないか?』という誘いだった。 


小泉政権下で緩和された労働派遣業は、日本の労働環境になくてはならないものになっていた。

色んな会社が派遣社員、バイトを雇って人件費を抑えていた。


実際、自前の職人(従業員)を雇えず、仕事のある時に雇う形をとっていた彼の工務店は、状態として、『“半”派遣』の形をとっていた。


自分の仕事に、労働者(職人)を派遣しているとと言えた。


それを『他の現場に回して、労働者からマージンを取る人材派遣業』をしないか、という誘いだった。

幸い、彼は父親の代からの営業回りや繋がりで、顔は広い。地元の建設系の会社と“渡り”が付けやすい。

コンサルタントはそこを推した。


「これまでの繋がりで、お仕事は貰えると思いますよ?」


コンサルタントはそう勧めた。


「だけどもさ、そんなに簡単に契約してくれるトコロ、あんの?」  


彼は懐疑的だった。

その40代半ばのコンサルタントは、彼にコツを教えた。

それは、人が嫌がる不人気な仕事を中心に営業を掛けろ、ということだった。 


建築関連の仕事は技術よりも体力的に非常にキツい現場が少なからずある。

そこは常に人手不足であり、契約を結び易い。

一度契約したら、後はやる気のある派遣(労働者)を採用し、送り続ける。

キツさに音を上げる人間もいるだろうが、人間は環境に慣れるものである。また、自然と淘汰されていく。

働ける者が残り、その現場は回る。

キツい現場だから、当然、バック(派遣契約料)は高い。


今までは、彼がメーカーなどから仕事を得ないと売上はゼロだが、この人材派遣ならば、契約を結べば、実入り(契約料)が入る。 

トータルで考えたら、工務店より安定した収入がある。


半信半疑だったが、彼は労働派遣業に乗り出した。 

実情を言えば、彼は、大手住宅メーカーの“下請け”に嫌気が差していた。

いつも“上から目線”の担当者にペコペコするのが気に入らない。


父もそうだったが、それが一番気に入らなかった。

大工である父が、若い担当者にひたすら低姿勢なのが、哀しかった😢

その父の“繋がり”からして、もっと好きに働けたのではないか。

そう思った。

そして、自分はそうなりたくなかった。


人材派遣に乗り出すと、その父親の頃からの“顔”で、契約をしてくれる会社は多かった。

彼は知り合いの職人や、“元”従業員らを誘った。

意外な事に皆、喜んで派遣された。

長引く不況で大工や職人は仕事にあぶれていたのだ。働ける現場があれば、彼らは喜んで紹介された。


一気に状況は変わった。


彼は父親の知り合いだった色んな会社、現場を回り、人材派遣の営業をした。

その一方で、派遣労働者を応募した。

応募には、地元の求人誌を使った。


彼は世の中にこんなに働き口を求める人間がいた事に初めて気が付いた。

彼の紹介する現場は、どれも建築系の体力的にも、精神的にもキツい現場だったが、それでも人材はそこそこ集まった。


にわかに彼の工務店は勢いを取り戻した。


何より、彼が嬉しかったのは、派遣の人間から慕われる事だった。

元からいた職人らはともかく、仕事にあぶれたフリーダーなどから「…お願いします!」などと言われて、彼はまんざらでも無い気持ちになった。


派遣現場は、建築系の他に、倉庫や資材管理などが増えた。会社の繋がりで今まで全く関わらなかった業態の会社とも人材派遣で知り合うようになった。

彼の工務店は、地元の“人材派遣業者”として少し有名になった。

「…キツい仕事ならば、あそこに頼めば」

「人手不足ならば、あそこ」

「とにかく急ぎならば、あの工務店。派遣もやっているから…」

という風に言われ出した。


時代も“追い風”が吹いた。

 

2009年、リーマン・ショックの大不況が日本を直撃した。

車などの製造業を中心に、全く売上が伸びず、平成不況から這い上がっていた日本経済はドン底に引き戻された。

彼のいる地域は自動車産業が強い地区だった。

当然彼の派遣業にも影響があった。

 

だが、それは微々たるものだった。

景気の衰退は確かに痛手だったが、住宅現場や建築関係が中心の彼の派遣業態には影響が少なかった。

…『少なかった』というより、元々、地方の建築業は冷えきっていて、それ以上落ちようがなかった、と言えた。

そこにリーマン・ショックの波が来た。

製造業から“切られた”者の多くが、彼の会社に登録した。

人が増えたら、働き口も増えた。


彼は、以前からいた派遣の中から口先の達者な者2人を営業として雇い、派遣先への開拓をさせた。自身は以前からの大手メーカーや建築関連の会社を回って、建築関連の仕事を回してもらった。 


割合にして、人材派遣が8、工務店が2、という内訳だった。


ありがたい事に日本全国が未曾有の不況に巻き込まれている中、彼の工務店は普通に売上を出していた。

仕事は少ないが無いことはない。そして、働きたい人間は山といた。

皆、仕事を求めていた。

 

彼はそんな派遣らに仕事を回した。

紹介するキツい仕事が多かったので、「もっと楽な現場ないの?」とか「あの現場、キツ過ぎっすよ」などと文句をたれるバカがいたが、そんな奴には仕事を紹介しなければ良かった。働きたい人間はたくさんいる。

代わりはいる。


彼の工務店の人材派遣業は、この地域の中でも順調だった。それなりに順調に業績を伸ばした。

 

このタイミングで、母親が社長を退き、彼に工務店を任す事になった。

人材派遣で稼ぎだし、人も雇いながら、営業に回る彼に安心したのだろう。

または、母親も疲れたのかもしれない。


2010年。遂に彼は社長になった。


で、一つの大きな決断をした。

彼は祖父の代から続けていた工務店を廃業し、“人材派遣業”一本で稼いでいく事を決めた。


…というか、以前から工務店の建築関連の仕事の受注が少なくなり、請負で受けるより、人材を派遣してマージン(手数料)を貰う方が楽だった。


その事を母親に告げると、すぐに承諾した。

「もうアンタの勝手にしな…」

母は、会社の事は彼に任せたようだった。


営業をさらに増やし、彼は彼らに仕事の獲得を任せ、自分はもっぱら派遣の“スカウト”に躍起になった。

気に入った派遣や、営業らと仕事終わりに街中に飲みに繰り出すのが楽しみになった。

皆、「社長、社長」と彼を慕った。

彼は悪い気持ちにはならない。

高校生の頃の、高揚感さえ得ていた。

(…これだよ、これ)と満足した☺️☺️☺️

気分はヤングエグゼクティブだった。

飲み屋やキャバクラで豪遊した。お金💴はそれなりにあったからだ。

景気が悪い地方で、自分だけが“勝者”に思えた。


2011年の冬は、彼の理想の将来の片鱗を見せながら暮れていった。

 

だが、楽しい時はいつも“一瞬”だ。

彼に、破綻が迫っていた。

 

…(終)に続く。