鈴木篠千の日記

2度目の移籍。浜松近郊でフリーライターしてます。①日記(普段の生活やテレビの話題と社会考察) ②プロレス心理学(とプロレス&格闘技の話) ③非居酒屋放浪記 ④派遣録(派遣していた&いる時や過去の話)

プロレス心理学80 雨降らば…

先日、雨が降った。
(久しぶりにしっかり雨が降った気がするが)

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雨を見ると、雨が嫌いだった友人を思い出す。

正確には、雨が"降る事"が嫌いだった。

どういう事か?

彼は雨が降るといつもイライラ😡⚡していた。

ある日、何でそんなにイラつくのか?と聞いたら

「雨って、自分勝手だろ?」と真剣に答えた。
さらには雨は『ワガママだ』と怒る。

頭がイカれたのか、と思った。

意味が分からなかった。
彼が曰く、雨はこちらの都合も気にせずに降る。
勝手に降る。
何の了解も得ずに降る。
こちらの気持ちも知らずに、降る。

それが「ズルい」というのだ。
それでイライラしていたのだ。

聞いた時は意味が分からなかったが、社会に出ると、彼の気持ちが何となく分かって来た。

あれは要するに、『自分の"コントロール"がつかないものをどう接するのか?』という問題になる。

社会に出たら、自分の思い通りにならない事が多い。
思い通りにならないばかりだ。

そうした物事にぶつかる度に俺は、あの友人を、雨にイラついていた友人を思い出す。

雨は自然現象だ。
我々にはどうする事も出来ない。
(…中国あたりではコントロールしているらしいが…)

組織、上司、人間関係などは、上手くしたら"思い通り"に出来る可能性がある。

だが、雨(天気)はどうにもならない。
これは自分への過剰な"期待"だ。自分への圧倒的な"愛情"と言える。

自分がコントロール出来ないゆえ、彼からしたら、雨とは『自分勝手』で『ワガママ』なのだ。

だが、世の中は思い通りにならない事ばかり。
自分勝手でワガママなのは社会ではなく、自分自信ではないか?

そうした時、人はどうするのか?
『自分は正しい』と思い込んでいる彼にとって、この社会はさぞかし生きづらく、頭に来る世界だろう。
自分を否定してくる社会は、とてもやりにくい。

だから、生きやすい"状況"を欲しがる。
自分の思い通りになり、自分の"ワガママ"がまかり通る"世界"。

それを欲しがるのだ。

しかし、雨(社会)は別に自分勝手でもワガママでも無い。
ただ、そこに存在し、自然現象としてあるのみだ。

その雨(社会)に怒ったり、嘆くのはどうしようもない行為だ。
愚か、である。

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俺は、このブログで度々と『プロレスはショー👯だ』『筋書きありだ』と書いてきた(予想だが)。

ならば『プロレスは八百長』か?
確かに筋書きがあり、それは"八百長"と言えるのだが、プロレスは『ショーである』とオープンにしていない。

その試合の"勝敗"は最後まで見ないと分からない。

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ならば、『ショー👯』、『八百長』(だとしても)の意味が無いのでは?

何故なら勝敗が分からないのなら、真剣勝負と変わらなくないか?

確かにその"動き"は、不自然かもしれないが、『闘いの結末が分からない』のであれば、普通の競技と変わらない。

また、もしもプロレスの勝敗が試合前から分かったら、みんな観るだろうか?

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誰も予想出来ず、わからないからみんな試合の"結末"に興奮するのだ。

"コントロール"されていない我々は興奮するのではないのか?

『雨が降る』と分かっていたら良いのかもしれない。

そんな事を友人に言ったら、『別に雨に興奮しねぇよ』と言うだろう。

それはつまり、『自分に降りかかる状況に対応できません』と言っているのと同じではないか?

『プロレスって八百長なんでしょ?』と言われ続けた俺は、『UWFという格闘技を見せてくれるプロレスがある』と言っていた。
(プロレスだったけどね…)

格闘技の魅力は試合前の予測が、本番に必ずしもそうならないという"興奮"と"期待"、"裏切り"だ。

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コントロール出来ないものが好かないのなら、そういう人たちは総合格闘技の試合や、ボクシングなどの試合を観て、楽しいのか?

ならば、雨や自然現象を楽しめないならば、"真の"興奮は味わえない。

『プロレスを八百長と罵るのなら、総合格闘技の緩慢な退屈さを享受しないといけない』

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俺は何度か書いてきた。

プロレスは違う。
退屈な試合は基本的には無い。(たまにあるが…)
思い通りにならないなら、思い通りになる"試合"が良い。

しかし、思い通りにならない"試合"ばかりだ。
結末が決められていようが、"そこ"は自身ではどうにもならないのだから、一緒だ。

俺たちが出来るのは、『雨を楽しむ』しかないのだ。

あの友人は今、"雨"を楽しんでいるのか?
意味の無い怒りに駆られてないだろうか?