鈴木篠千の日記

2度目の移籍。浜松近郊でフリーライターしてます。①日記(普段の生活やテレビの話題と社会考察) ②プロレス心理学(とプロレス&格闘技の話) ③非居酒屋放浪記 ④派遣録(派遣していた&いる時や過去の話)

派遣録 24 代償

こうして念願(?)の正社員になれた。

 

すると、変わった事があった。

 

まずは二課の連中の態度が変わった。

部長を筆頭に、俺へ『バイトから正社員にしてやったんだぞ? 分かってんな?』という圧力が見え隠れした。

 

当たり前かもしれない。

俺は総務部長と揉めて、この話は一度白紙にしている。

根回しにいろいろと大変だったのだろう。

 

その分、俺に“強く当たる”のは、よく分かる。

『せっかく社員にしてやったんだから…』『大変だったんだぞ!』『俺たちの為に働けよ』という態度を見せても、そうなるのは俺でも分かる。

 

例えば…。

ある日、二課にクレームの電話がきた。

うちで発行している求人誌に掲載されていた派遣会社の求人に応募したが、発行日に連絡したのに断られ、別の案件を薦められた、というものだった。

つまり『おとり案件』である。

派遣会社はこういう人集めをよくやる。

高額で人気のある“嘘”の案件を掲載させ、それに応募が来たら「今、その求人が埋まりってしまいました。すいませ~ん」などと言って、他の人気薄の求人案件に誘導するのである。

それに怒った読者が、派遣会社ではなく、掲載していたウチ(求人誌)にクレームを入れてきたのだ。

完全に八つ当たりだ。

こちらは派遣会社に言われて載せているだけなので、クレームを入れられても困るのだが、そういう苛立ちの行き場がなかったのだろう。

 

そして、そういうクレームの担当が、何故か俺だった。

営業さんがその手の電話を受けると、「…ちょっとお待ち下さい」などと保留し、説明無しに俺に回してきた。

で、訳も分からず電話口に出ると「どうなってんだ💢」と怒鳴られた💦

(この後に、某年金事務所でお怒り電話には散々出るようになるが…)

 

憤るその読者(求職者)に、俺は「こちらはただ派遣会社さんに言われて掲載しているんで…」と言い訳するしかなかった。

 

で、電話が終わり、俺が「何でこのクレーム対応が俺なんすか!」というと、その営業は無言の苦笑いで返した。

つまり「鈴木くん、バイトから正社員になったんだから、そうしたクレームは任せられても、仕方ないよね?」という事である。

要は、厄介事は全部、俺へ、だった。

 

こうした圧力に俺は頭に来てはいたが、正社員にしてもらったという事実負い目から逆らえなかった。

そんな感じで、俺への“負荷”が増えた気がした。

二課の連中からしたら、都合の良い“本当の”雑用係が手に入った、という事だったのだろう。

 

…これは我慢した。憧れの正社員だ。

 

 

俺には、それよりも頭に来ていた事があった。

 

前にも書いた、例の元同級生👧である。

彼女には、同じ製作部に“彼氏”👦がいた。

 

コイツがロクでもない奴だった。

基本、一人では何もできない人。困ったやつだった。

 

飲み会が好きで、よく俺に開催を催促した。人集め、会場(居酒屋)予約などを全て俺に任せてきた。

毎回言ってくるので、腹が立った俺が「居酒屋の予約はするんで、人数集めは任せて良いですか?」と頼むと、何故か集めず、終いには逆キレ💢された。何でだよ💢

自分で集めろ! 

 

また、何かとその彼女(元同級生)が口を挟んできたりした。

 

さらに、その年の忘年会。

元同級生👧から「うちのカレ👦、宜しくね…」とさらりと言われた。俺を「…はあ…」と答えたが、同じ会場で飲むのだから、宜しくも何もない、と思っていた。『楽しく飲んでね🍺』という意味と俺は捉えた。

 

忘年会の一次会が終わり、俺は所属する二課の連中と二次会のスナックに向かった。

その“彼氏👦”の事は放っておいた。

彼はもう30を越えた大人だ。どこかで勝手に遊ぶだろうと思っていたからだ。

 

で、忘年会の次の日、元同級生👧💢にぶちキレられてた。「『カレを宜しく』って言ったのに、何で勝手にスナックとかいってんの!?💢」と言われた。

例のカレはそのまま帰宅したらしい。

 

俺は呆れた。

こっちに来たければ、勝手に来たらよいだろ。好きにすれば良い。彼氏、何歳なんだよ💢

しかも、それを何故アンタ👧が俺に怒る?

 

万事こんな感じで、“彼氏”の事に何でも口を出してきた。“モンスターペアリフト”ならぬ、“モンスター彼女”だった。

「カレの為に、飲み会開いてよ~」などと度々お願いされた。

 

正社員になれた頃から、俺はこの二人や、元同級生👧グループに翻弄されていた。非常に不快であり、なるべく関わらないようにしていた。

他にも性格の悪い、不倫中のバカなどがいたなあ。

 

だが、『飲み会しよう』とか『ゲームしよう』と俺を誘ってきた。内心迷惑で、そいつらもそれには薄々分かっていたと思う。

 

俺が頭に来ていたのは、その元同級生👧らが、俺を“手下”のように扱おうとしていたのが、見て取れたからだ。

おそらくだが、俺を自分の彼氏専属の“子分”にしたかったのだろう。

誰がなるかっ💢

彼氏の“お守り”はお前がしてろ!

 

そして、その彼氏は全く自主性がなく、「俺、○○したいな~」「新しい自転車🚲️買ったから、ツーリングしたいなあ~」などと言い出し、俺に「どうにかなんない?」とねだった。

とにかく“おねだり”が酷かった。

そんなもん、自分でやれよ…。

俺は1度、酔ったふりして「お前は腰抜けだ!」と罵ったこともある。“彼氏”はむっとしていた。

それでも、しばらくするとまたすり寄ってくるのには参った。

 

コイツらとは関わりたくなかったが、この会社にいる以上、顔を合わせてしまう。

そして、おねだりやお願いをしてくる。

 

そこには「アンタ(俺)、正社員になれたんだから、こっち(元同級生グループ)と仲良くしなさいよ」という同調圧力に思えた。

 

二課の厄介事と同じくらい、こいつら“おねだり”が嫌だった。

やはりバカにされている気がした。

 

しかし、せっかくなれた正社員だ。こんな事で手放したりできない。

両方我慢した。

 

俺には嫌な思いをする事が多くなった。

だが、“地獄”というのはこれではない。

 

この直後、遂にあれがくる。

リーマンショックである。

これで俺は職を失い、また日雇い派遣を再開する事になるのだ…。