鈴木篠千の日記

2度目の移籍。浜松近郊でフリーライターしてます。①日記(普段の生活やテレビの話題と社会考察) ②プロレス心理学(とプロレス&格闘技の話) ③非居酒屋放浪記 ④派遣録(派遣していた&いる時や過去の話)

無所属少年⑩ みっちーの"放棄"

大学四年の時にみっちーから連絡があり、少し近況を話したり、今後の自身の展望を語った。

その後に、みっちーはポツリと言った。

「…お前、変わったなぁ。昔は素直で良い奴だったのになぁ」

その発言が俺には分からなかった。
別に俺自身が"変わった"という意識が無かった。
地元を離れ、1人大阪で暮らす内に多少"世間"というものが分かってきたのかもしれなかった(この後、厭と言うほど分かるが…)。

みっちーは俺がそんな風になったのを悔やんでいるようだった。

何故?

そう思うと、みっちーの"考え"からして見えて来た事がある。

みっちーにとって、俺は弟同様、自分の"世界"の便利な住人だったのでは?

俺は"友達"と思っていたが、
みっちーからすれは、『自分が一番になる為の"装置"』くらいにしか見てなかったのでは?

だから、大阪に行って、自分の考えを持ち始めた俺に、"残念"感を抱いたのでは?

中学校の頃、使い走りをさせられる彼を見ても、俺は幻滅しなかった。
みっちーの事だ。
あんな立場に満足しているわけがなかった。
おそらく、また自分だけが勝つ"世界"をどこかに作っていて、どこかで威張っているに違いない、と思っていたからだ。

それはみっちーの"擬態"なのだ。
みっちーには、自分だけの"世界"がある。

そしてまた、俺もみっちーの"世界"の一部だったのだ。

大学の頃、たまに地元(浜北)に帰省してみっちーに会うと、まだ弟と遊んでいた。
今から思えば、みっちーは"ブレない"奴だった。

そんなみっちーと連絡を取ったのは、もう二年前だ。
その時、俺の病気の話や近況を少し話した。
その日から今日まで、みっちーから連絡はない。
彼の事だ。
俺の近況を聞いて、(…これは関わらない方が得だな)と思ったに違いない。

断っておくが、そんなみっちーに恨みや怒りは無い。

それもまた、彼らしいのだ。