鈴木篠千の日記

2度目の移籍。浜松近郊でフリーライターしてます。①日記(普段の生活やテレビの話題と社会考察) ②プロレス心理学(とプロレス&格闘技の話) ③非居酒屋放浪記 ④派遣録(派遣していた&いる時や過去の話)

新社会人へ⑤ いつも心に"サミング"を

プロレスの反則技にサミングがある。
簡単に言うと"目潰し"である。

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相手の目に指を入れる反則技だ。

本来は、サム(親指)で行うからサミングという。アマチュアレスリングでも反則である。
柔道で目潰しは反則だ。

『なんでもアリ』のUFCでも噛みつき、金的に続いてサミングは反則。

※ちなみに初期のUFCでは金的はアリだった記憶がある。ジョー・サン(怪人キモの師匠)が相手の股間を殴りまくっている映像を見た事がある…。

プロレスでも反則だが、プロレスの反則は往々にして『5カウント以内は可』であり、一瞬で目を突けば反則にならない。

だが、プロレスラーがリング上やるサミングには二種類がある。

ヒール(悪役)が観客にアピールするサミングと、相手が本当に本気で観客、審判にわからないようにやる本気(リアル)のサミングである。

プロレスの勝敗があらかじめ決まっているのだから、"リアルサミング"は完全な反則。
当然、やられた方は怒る。
だが、プロレスを見る観客からしたら、『5カウント以内』であるから反則ではない。

つまり、プロレスではリアルなサミングがアリなのだ。
…ま、やったら審判から『反則負け』を言い渡されるだろうが。


我々の生きる社会でもリアルな"サミング"はある。

どんなに良い奴、優しいそうな奴でも、その真意は分からない。
他人に対し、「うるせぇ、バカ」と言うようなとんでもない奴かも知れない。
自分の言うことを全く聞かない奴かもしれない。

人間が他人に見せる攻撃性。それがリアルな"サミング"だ。

だから、人は他人に"プロレス"を求める。
自分を傷つけない人間や、自分にとって都合良く、優しい人間を求める。
"サミング"などしてこない穏やかな人間を自らの近くに置きたがる。
(俺もね)

会社の面接の真意はここにある、と思う。

まず、この他人が自分に『"サミング"などをしてこない奴か、どうか?』を見極める。

仕事ができそうか、などは二の次だ。
まず、そこで判断する。
だから、面接で横柄な態度や、危ない雰囲気を出す奴はまずいない。

俺も、だ。
俺も面接では『良い子』を演じる。
そうしなければ、その会社に入れないからだ。

だが、人は常に攻撃性を隠す。

面接で他人に見せる"余所行き"の顔などその場しのぎでしかなく、付き合えばそのうちに"サミング"してくる。

だから、面接官はこちらの真意を見たがり、優しい人間だと思っていた人間が攻撃性を見せると、「そんな人間とは思わなかった」などと言う。

攻撃性=リアル。

おかしな話だ。

真意(リアル)を知りたがるくせに、そのリアルを見せる事を嫌がる。

人は必ずリアルな"サミング"をしてくるのだ。

俺にとっての"サミング"は、"脳腫瘍だった"事だ。

俺は履歴書に脳腫瘍を患っていた事を正直に書くようにしている。
(一時期、あまりにも再就職できないから書かなかった事もあったが…)

その為か、履歴書を送った時点で面接を断られたり、面接の場で明らかに酷い態度を取られる事など良くあった。

だが、それで良いと思っている。

『ワタシはこういう人間で、こうして生きて来ました』と、自分のリアルを見せて置く。

病気持ちの人間(腫瘍は完全に除去したが…)を雇いたがる経営者はなかなかいない。
付き合いたくない、と思われることは覚悟している。

たが、『俺はいつでもアンタの目を突くよ』と言う"怖さ"を見せて置くべきだと思う。

『こんな奴とは思わなかったよ』などと言うが、人は常に『こんな奴』だ。

みんな、分かっているはず。だって、貴方も『こんな奴』だから。

"良い人"、"真面目"、"優しそう"。

そんなイメージは、それこそフェイクだ。

いつでもそんな"仮面"は外れる。
簡単に目を突いてくる。

それを想定すべきであるし、その覚悟を垣間見背ておくべきだ。

社会=プロレスである。

当たり前だが、不意に目を突いてくる社会人など嫌われる。
それぞれが、それぞれに都合良く、自分を"満足"させる存在で、あって欲しがる。

そこにリアルを差し込め!
リアルを意識させておけ!
そして、自身もサミングされる覚悟を持って置け。

可能性は誰にでもあるからだ。