鈴木篠千の日記

2度目の移籍。浜松近郊でフリーライターしてます。①日記(普段の生活やテレビの話題と社会考察) ②プロレス心理学(とプロレス&格闘技の話) ③非居酒屋放浪記 ④派遣録(派遣していた&いる時や過去の話)

新社会人へ ④ ヒールの覚悟

前回でも書いたが、プロレスにはヒール(悪役)が付き物だ。
ヒールが暴虐を尽くし、酷い事をする。
それをベビーフェイス(正義の味方)が阻止して、ヒールを倒す。
そんな勧善懲悪のストーリーがやはりウケる。
古典的たが、未だにあるブック(台本)だ。

古くは、ザ・デストロイヤー
タイガー・J・シン
ロード・ウォーリァーズ
NWOの蝶野

今は…ロス・インゴベルナブレス(デ・ハポン)の内藤哲也かな?

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プロレスはこうした"悪役"によって彩られている。
彼らが相手を痛め付け、汚ない方法で勝ち、観客にも悪態を付く。
観客は、彼らに罵声を浴びせ、彼らがやられる事に喝采を上げて興奮する。

興奮はそのままチケットの売上に繋がる。
ヒールが酷い事をすれば、するほど盛り上がり、収益は上がるのだ。
(…違う時もあるけどね)

これがプロレスの基本原理の一つだ。

ポイントは彼らが悪"役"だ、と言うことだ。
あくまでも"役"なのだ。
職業として相手レスラーに酷い事をして、卑怯な手を使い、観客を罵ったりする。
だが、一度リングから降りたら、そこらにいる人の良い他人と変わらない(と思う)。

今じゃ、ヒール(悪役)の方が人気があったりする。


では、社会という"リング"ではどうか?

我々が生きる社会にもヒールはいる。

うるさい上司、人の手柄を横取りする同期、騒がしい隣人、いきなり電話してくる友人…。

皆、ヒールである。

だが、プロレスのヒールと明らかに違う点がある。

それは、
プロレスのヒールは役として"自覚"してヒールを演じる。
社会のヒールにヒールとしての"自覚"はない。

仕事が出来ない奴も、サボる上司も自身に"悪"という意識は無い。『これは仕方ないから』とか、『別に良いでしょ?』という理由を正当化している。

いや、そんな正当化さえしていない。

自分としたら当たり前の事をしたり、言ったりしているだけだ。

とするなら、我々は誰もがこの社会で"ヒール"なのだ。
(俺もね)

新社会人など、"新人である"というだけで悪なのかも。
『何にもしらないのかよ…』
『教えるの面倒だな…』
『偉そうだな。コイツ…』

何にもしていなくても、存在がヒールだ。
会社の玄関を入った瞬間。
何にかしゃべった瞬間。
自宅から出た瞬間。

貴方は既にヒールだ。

人は他人から『いい人だ』と見られたい動物だ。
嫌われたくない。怒られたくない。頼りにされたい。仲良くしたい。
そう思っているはず。

だが、実社会は違う。

やりたくなくても、社会は貴方にヒール(悪役)をやらせる。
何かあれば、"悪役"である貴方の責任になり、"悪役"の貴方は社会、組織、個人に不利益ばかりを与えている、と思われる。
それは細かくみれば、貴方の責任ではないのだが、社会は常に攻撃出来るヒール(悪役)を求めている。

社会=プロレス。

だから、プロレスにヒールが必要であり、社会は誰かを悪役にさせる。

覚悟をしておくべきだ。
我々は常に誰かのヒールである。
こっちから言えば、向こうこそがヒールなのだが、相手にはそんな事通じない。
自分がベビーフェイス(正義)で、
相手はヒール(悪役)なのだ。

常に。

ならば、悪"役"でいたらどうか?

嫌われ、戒められ、低く見られる。
それを受け入れ、それでも胸を張って生きていたら良い。

本当に悪い事をしたらダメだが、自分の権利を主張するのは、貴方の自由だ。
それで嫌われ、低評価を付けられたならもっと怒れば良い。
それが嫌ならその場を離れろ。辞めてしまえ!

プロレスのヒール(悪役)はあくまでも役だ。
誰かを罵り、小馬鹿にし、怒らせても、それが役目だ。
組織などで、それをやれば必ず嫌われる。

だが、貴方が社会で何をしても必ず嫌われる。
ならば、好きなだけ嫌われたら良い。

悪"役"(あくまでも役)を全うしろ。
相手を挑発して怒らせろ。
周りに悪態を付け。
嫌なら奴と思われろ。

何をしても否定的に捉えられるのだ。
覚悟をしておいたら良い。

俺もそうだった。
大学を卒業して入社した販売の会社では、『出来ない奴』とレッテルを張られ、腐りたくなく、一生懸命に"頑張る人"を演じていた。

今から思えば、間違っていた。

俺を見下したり、低く見る奴らには「うるせぇ、バカ」と怒鳴っておけば良かった。
それくらいで十分だったのだ。

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ヒール(悪役)で生きろ。

…ずっと、ヒールは嫌だ?

大丈夫。プロレスでもヒールは良くベビーフェイスになる。
※"ターン"という。

何かの拍子に、評価など一変する。
そんなもんだ。