鈴木篠千の日記

2度目の移籍。浜松近郊でフリーライターしてます。①日記(普段の生活やテレビの話題と社会考察) ②プロレス心理学(とプロレス&格闘技の話) ③非居酒屋放浪記 ④派遣録(派遣していた&いる時や過去の話)

技術と営業

職場に、非常に無愛想なおっさんがいる。態度が横柄💀。

 

通路で会っても、無言でこちらを睨み、無視してきたりする。何が気に入らないのか?

馬鹿している、と思えた。

 

だが、仲良く話す人間もいて、どうもコイツは人を見て態度を変えているらしい。その程度の奴だ。 

頭に来て💢、俺も無視。

 

無愛想なら俺も負けてはいないし、横柄さなら俺が上かもしれないが、コイツの態度は馬鹿馬鹿しく思えた。

なので、俺もコイツを無視してやっている。

特に問題は無く、俺は放っといていた。

 

先日、その無愛想な奴が、“元・板前”と聞いた。

 

それを聞いて、納得した。

 

元板前のおっさんが、食い詰めて、ここで働いているのだ。

よく考えてみたら、何だか、悲しい😞

 

あの男は技術者だったのだ。

技術のある者は、その技術により、生計を得ている(た)。

己の技術だけで生活していたから、必要以上に他人とコミュニケーションを取る必要がない。己と利害関係にある者だけと付き合っていたら良かったのだ。

だから、関係の無い他人(俺とか)には無愛想になる。

それで問題無いと思っているし、そうして生きてきたからだ。

 

あの無愛想な態度はそうした意識からだろう。

 

俺が日雇いで働いている頃、よくこういう人間がいた。

 

元・居酒屋の店長🏮

元・飲食店の店長👩‍🍳

元・小さな会社の代表🙋

 

皆、ある程度の“組織”のリーダーで、それなりの技術者だった。

そうした人間が、“本業”では稼げなく、泣く泣く日雇いで働いていた。

 

そして、そういう人間は、やはり無愛想だった。

俺達、派遣を小馬鹿にしている態度がありありと見受けられた。(こいつらも派遣なのだが…)

 

おそらくだが、ある程度の技術を持っていながら、それでも生計を立てられなくなったり、事業に失敗して、仕方なく日雇いで働くしかなくなったのだろう。

 

「俺はお前らとは違う」

「俺は特別だ」

「俺には技術がある」

 

だが、それで生活していけないから、“本業”以外の場所に来ている。無愛想は良いが、己の見られ方を理解した方が良いだろう。

 

技術があるが、それで必ずしも儲かるとは限らない。

 

それは『営業と技術』は別だからだ。

『ラーメン屋は、旨くても潰れる』という話を知っているか。 

 

人を満足させる技術と、人を集める技術(営業)は別だ。

人を集め(営業)、技術で満足させる。

双方が必要な技術だ。

 

求人誌の編集をしていた時、俺のような“業者”に対し、かなり横柄な態度を取る個人事業者を何人も出会った。

皆、お客以外にはまるで“召し使い”のような態度を取ってきた。

自身の技術に自信があり、それで“儲けている”から、俺たちなどは、ゴミのような存在としか思っていなかったのだろう。

 

例の無愛想なおっさんと同じだ。技術で食えていけない。

技術が高くても、営業ができていなかったからだ。“お客”を集められない。

 

たが、技術だけはあるから、周囲には威張る。だが、その技術が凄くても営業がダメで食べていけない。

 

それな、俺には可哀想に思える。

どんなに威張っても、自分に自信があっても、他人を見下しても、自身はあるが、儲けがない。

 

このどうしようも無い絶望感と、プライドが“あの態度”になるのだろう。

 

そう思う、その背中はひどく悲しく見える。

…この人は、もうこれしか出来なのだ)と思う。