職場に、非常に無愛想なおっさんがいる。態度が横柄💀。
通路で会っても、無言でこちらを睨み、無視してきたりする。何が気に入らないのか?
馬鹿している、と思えた。
だが、仲良く話す人間もいて、どうもコイツは人を見て態度を変えているらしい。その程度の奴だ。
頭に来て💢、俺も無視。
無愛想なら俺も負けてはいないし、横柄さなら俺が上かもしれないが、コイツの態度は馬鹿馬鹿しく思えた。
なので、俺もコイツを無視してやっている。
特に問題は無く、俺は放っといていた。
先日、その無愛想な奴が、“元・板前”と聞いた。
それを聞いて、納得した。
元板前のおっさんが、食い詰めて、ここで働いているのだ。
よく考えてみたら、何だか、悲しい😞
あの男は技術者だったのだ。
技術のある者は、その技術により、生計を得ている(た)。
己の技術だけで生活していたから、必要以上に他人とコミュニケーションを取る必要がない。己と利害関係にある者だけと付き合っていたら良かったのだ。
だから、関係の無い他人(俺とか)には無愛想になる。
それで問題無いと思っているし、そうして生きてきたからだ。
あの無愛想な態度はそうした意識からだろう。
俺が日雇いで働いている頃、よくこういう人間がいた。
元・居酒屋の店長🏮
元・飲食店の店長👩🍳
元・小さな会社の代表🙋
皆、ある程度の“組織”のリーダーで、それなりの技術者だった。
そうした人間が、“本業”では稼げなく、泣く泣く日雇いで働いていた。
そして、そういう人間は、やはり無愛想だった。
俺達、派遣を小馬鹿にしている態度がありありと見受けられた。(こいつらも派遣なのだが…)
おそらくだが、ある程度の技術を持っていながら、それでも生計を立てられなくなったり、事業に失敗して、仕方なく日雇いで働くしかなくなったのだろう。
「俺はお前らとは違う」
「俺は特別だ」
「俺には技術がある」
だが、それで生活していけないから、“本業”以外の場所に来ている。無愛想は良いが、己の見られ方を理解した方が良いだろう。
技術があるが、それで必ずしも儲かるとは限らない。
それは『営業と技術』は別だからだ。
『ラーメン屋は、旨くても潰れる』という話を知っているか。
人を満足させる技術と、人を集める技術(営業)は別だ。
人を集め(営業)、技術で満足させる。
双方が必要な技術だ。
求人誌の編集をしていた時、俺のような“業者”に対し、かなり横柄な態度を取る個人事業者を何人も出会った。
皆、お客以外にはまるで“召し使い”のような態度を取ってきた。
自身の技術に自信があり、それで“儲けている”から、俺たちなどは、ゴミのような存在としか思っていなかったのだろう。
例の無愛想なおっさんと同じだ。技術で食えていけない。
技術が高くても、営業ができていなかったからだ。“お客”を集められない。
たが、技術だけはあるから、周囲には威張る。だが、その技術が凄くても営業がダメで食べていけない。
それな、俺には可哀想に思える。
どんなに威張っても、自分に自信があっても、他人を見下しても、自身はあるが、儲けがない。
このどうしようも無い絶望感と、プライドが“あの態度”になるのだろう。
そう思う、その背中はひどく悲しく見える。
(…この人は、もうこれしか出来なのだ)と思う。