鈴木篠千の日記

2度目の移籍。浜松近郊でフリーライターしてます。①日記(普段の生活やテレビの話題と社会考察) ②プロレス心理学(とプロレス&格闘技の話) ③非居酒屋放浪記 ④派遣録(派遣していた&いる時や過去の話)

派遣録 51 足助の謎

俺がこの時にメインで派遣登録していたのは、“フルキャリア”(仮名)という派遣会社だ。

 

その給料受け取りシステムは、派遣先で作業を終えると、『作業確認書』という小さな紙にサインを貰い、それと引き換えに日当を貰うシステムだった(当時)

 

“フルキャリア”の事務所は浜松の街中にあり、そこで支払いが行われていた。

 

俺も週一くらいで働いた分の給料を貰いに行っていた。

 

金のない奴は、働いたらすぐに事務所へ向かい、さらに新しい仕事先の催促をしていた。

なので、事務所にはいつも日雇いらがたむろしていた。

好きな雰囲気じゃなかったが。

 

俺が行くとよくいたのが、“足助”(あだ名)だった。

 

彼はあだ名の通り、愛知県の新城の足助の出身でイントネーションが俺達とは違っていた。

背が高く、声が太く、それで印象に残っている。

現場でも度々と顔を合わすので、知り合いになっていた。

 

事務所で見る彼は何故かいつもスーツ姿だった。

『模擬試験監督』の日雇い仕事によくいたので、さの帰りかな、と思っていた。

だが、ある日少しだけ話すとそうではなく、この日雇いは“副業”で、何かしらの本業があるようだった。

 

その本業が何なのか、話してはくれなかったが、あまり稼げてないようだった。

 

以前の俺(第1期)と似たような働き方をしていた。

その時の俺からしたら、継続的に仕事があるだけ羨ましかった。

 

なので、気になってしまった。

 

それで給料支払いの帰り、俺は来ていた足助を食事に誘った事があった。

 

結局、居酒屋🏮で酒を飲むことになったが、俺が同じ日雇いと酒を酌み交わしたのは、この足助だけだった。

西田やゴリさんとは食事🍴🍝はしたりしたが、じっくり話したのは、彼だけだ。

なので、今も印象に残っている。

 

そこでも、彼の本業を聞き出そうとしたが、最後まで明かさなかった。

ひょっとしたら、『副業NG』の会社だったのかも?

 

足助は資金繰りに苦しそうだった。「金がないっひす」を連発していた。…おれも無かったが。

 

足助は「ガソリンが…」とか「車の維持費が…」と嘆いていたので、「運転好きなの?」と尋ねた。

彼は車好きで、安いスポーツカーをチューンナップしているような事を言っていた。

俺は、以前登録していた“グッド・ウェア”(仮名)でよくピザ🍕や寿司🍣の宅配をしていたことを告げた。

 

すると、足助の表情が変わった。

 

その宅配系の日雇いを「あんなのやるだけバカだよ!」とか「ろくな事ない💢」「意味ない💢」などとなじり出した。

過去にしていて、何か嫌な事があったらしい。

 

俺が「まさか、グッドウェアにいた?」と尋ねても、彼は否定も肯定もしなかった。

いたのか?

だが、俺は見たこと無かった。

その頃は“週1”だったが。

 

こんな話をしたのを覚えているが、彼の事は結局よく分からなかった。

『配送系の日雇いを憎んでいる』とだけ分かった。

 

いつも事務所にスーツで現れる理由も分からなかった。