鈴木篠千の日記

2度目の移籍。浜松近郊でフリーライターしてます。①日記(普段の生活やテレビの話題と社会考察) ②プロレス心理学(とプロレス&格闘技の話) ③非居酒屋放浪記 ④派遣録(派遣していた&いる時や過去の話)

派遣録 40 日雇い派遣の人々② 北山の秘密

また同じ日雇い派遣仲間の話を書きたい。

 

北山(デブ)という嫌な奴がいた。

 

からしたらこいつは仲間ではないのだが、度々と顔を合わせるうちに知り合いになり、何かと話しかけてきた。

 

彼はとにかく自慢話が多かった。

「どこそこの現場は楽勝だった、疲れた、大変だったが俺だからできた」とか。

「あそこの現場の社員さんには可愛がられている」、「フルキャリア(仮名)の事務所の人間とはもう“昵懇”で、何でも融通してくれる」など。

 

とにかく、“俺、出来るんですよ”アピール、自己顕示が強かった。

 

非常に苦手だったが、こうした奴は日雇いによくいた。

本当に“出来る”奴ならば、日雇い派遣などしていないと思うのだが、俺も同じ日雇いなので、よく「ほー」とか言いながら聞いていた。

 

しかし、話を聞いてみると『フルキャリアの事務所の人間と仲が良い』というのは本当らしく、何故か彼(ら)には日雇いの仕事が融通されたりしている事がわかった。

 

どうも、人気薄の現場の作業員を確保するため、フルキャリア側が、北山や一部の日雇いにお願いをしているらしく、その分、普段の割り振りを考慮しているようだった。

 

つまり、日雇い派遣にも“差”があったのだ。

それを知った西田(トラック)などは、俺に愚痴ったりした。

 

俺もあまり良い気分はしなかったが、派遣会社の人集めの苦労は知っていたので、(…仕方ないのかな)と思えた。