で、二週間目。
また金曜日の荷受け役にガタガタと言われた。
社長の話は嘘で、とてもそんな様子(俺への謝罪)はなかった。
そして、また俺にフルキャリに来週の継続を連絡するように促してきた。
俺は多少苛立ち、社長に「だから💢、社長から連絡してくださいよ💢」と言った記憶がある。
すると、社長は例のニヤニヤ笑いで俺からするように譲らなかった。どこまでも腰抜けな奴だった。
ただ、俺は次の週も継続した。
社長は好きになれなかったが、仕事自体は嫌いではなかった。配送は何度もやっていたし。
そして3週目。
確か、月曜か、火曜だったと思う。
午前中で仕事が終わり、帰ろうとしたら社長に呼び止められた。
何かと思ったら、「鈴木くん、来週からウチで働かない?」と直接雇用の勧誘をされた。
俺は即答で断った。
自宅から遠い事。
バイト契約だった事。
社長自体に不信感を持っていた事。
…などで、断った。
また、その時の社長の言い方も、何か“当然”みたいなニュアンスがあり、カチン💢と来た。
ここで働くなら、日雇いの方が良さそうだった。
断られた社長は、またいつものニヤニヤ笑いだった。
そして、次の日。
俺が配送すべく、いつものワゴン車に乗ると、サイドブレーキの下に何か紙のようなものがあった。
急いでいたのでそのまま発車して、信号機で止まった時に、“その紙”を見てみた。
驚いた。
それは“一万円札”💴だった。
俺は思い出した。
午後に、このワゴン車を社長が使うことがある、と聞いていた。
俺は社長が給油などの際に、車内に落としたと思った。
工場に戻ると、社長に「…万札、落ちてましたよ!」と渡した。
社長はとても驚いた顔をして、「おー、そこにあったか?」なんて言って、またいつものニヤニヤ笑いになった。
…何か、おかしな様子だったのを覚えている。
この“一万円札事件💴”の真実は後から分かる。
そして3週目の最終日の金曜。
また荷受け役の“イヤミ”を耐えて工場に戻ると、社長が頭を抱えていた。
どうも、工場の機械の一つが壊れて動かなくなったらしい。
すると、社長は戻ってきた俺にとんでもないことを言い出した。
「お前、壊しただろ?💢」
俺は首を振った。
確かに配送の合間に、手伝いで使った時があった。
だが、それは先週のこと。その週は1度も触っていない。
俺がその事を言うと、またニヤニヤ顔で、もっと信じられない事を言い出した。
「おー、分かった、分かった。…掛川駅、わかるか? あそこに“金借りる機械”(消費者金融?)あるからよ。そこで金借りてきなよ…」
※またまた続く