鈴木篠千の日記

2度目の移籍。浜松近郊でフリーライターしてます。①日記(普段の生活やテレビの話題と社会考察) ②プロレス心理学(とプロレス&格闘技の話) ③非居酒屋放浪記 ④派遣録(派遣していた&いる時や過去の話)

派遣録57 配送 前編(ニヤニヤ社長)

少し長くなる話だ。

 

とんでもない派遣先があった。

この頃(2008年の冬)、朝からフルキャリから連絡が入った。

「すぐに袋井の工場に行ってくれません?」とお願いされた。聞けば『その現場(工場)で、派遣した日雇いが急に現場から“逃げた”』という。

 

例の“早退おじさん”のように消える日雇いはたまにいた。

 

時間は午前11時。

フルキャリの事務員は「何時になっても良いから、早く! お願いします🙇‍♀️⤵️」と電話で懇願。

俺は夕方から、磐田の大型ショッピングモールでの派遣が予定されていた。「その前で良いから、働いていてくれ」と言った。

やけに焦っていた。

 

意味は分からなかったが、俺は了承し、すぐに袋井の現場(工場)に向かった。

 

そこは1号線バイパス沿いの小さな工場。

待っていたのは、ニヤニヤ笑うおじさん(社長)だった。

逃げた日雇いの事を怒られるかな?、と思ったが、社長は俺に「あー、来た来た。早く、これ持って行って 」と笑いながら言った。

ワゴン車が用意され、既に荷物(工場製品)が積まれ、後は車を運転するだけだった。

 

俺は地図をもらい、数キロ先の大型工場🏭️に向かった。

後から分かるのだが、俺が出てきた小さな工場は、この大型工場(県内有名メーカー)の“孫請”だった。

 

俺はワゴン車など運転するのは初めてだったが、とにかく工場🏭️に向かった。

 

搬入は問題なく終わり、俺はすぐに戻った。

その俺に、社長はまたニヤニヤと笑い、とくに怒りも誉めもしなかった。

もっと怒られたりすると覚悟していた。

すると、次の工場(子会社?)に別の製品を運んだ。

それは30分程で済んだ。

 

そこで俺は次の現場(磐田)に向かわないと間に合わないので、そこを辞した。

「…どうもすいませんでした」と俺が逃げた日雇いの事を謝ると、社長はまだニヤニヤしていただけだだった。

 

何か、変な感じがした。

 

次の日、フルキャリから、その袋井の工場への派遣を打診された。これも懇願のような感じだった。

少し遠いかったが、一週間の継続契約だという事でついつい約束してしまった。

派遣人数は俺一人。8:30~12:30の短時間で、先日の配送がメインだったが、交通費も出たので、俺は(自分のペースで働けそう)と思っていた。  

 

で、またニヤニヤと笑う社長がいて、俺に「おー、来た来た。頼むよ(笑)」と言って、また笑った。

 

仕事は前の日に作ってあった製品を積み込み、“親”工場🏭️に配送する仕事だった。

 

それは1日で覚えられる仕事だった。

 

社長から煽られるたり、怒られることもなく、一週間働いたが、問題のない現場に思えた。

 

…だが。《続く》