鈴木篠千の日記

2度目の移籍。浜松近郊でフリーライターしてます。①日記(普段の生活やテレビの話題と社会考察) ②プロレス心理学(とプロレス&格闘技の話) ③非居酒屋放浪記 ④派遣録(派遣していた&いる時や過去の話)

派遣録60 配送 結末編(“丸請け”と罠)

 

「おー、分かった、分かった。…掛川駅、わかるか? あそこに“金借りる機械”(消費者金融?)あるからよ。そこで金借りてきなよ…」

 

社長にニヤニヤ顔でそう言われ、俺はさすがにキレてしまった💢

 

俺「何、言ってんだ💢、借りるわけねぇだろ💢」

社「いや、この機械が動かないと、仕事にならないんだよ。お前が壊したんだろ?」

俺「はあ? 俺が触ったのは先週だよ?」

社「その時、何かしただろ?」

俺「何かて何だよ?💢、何もなかったよ💢」

社「…分かった、分かった。金は返すから、借りてこい。免許証は持っているだろ?」

俺「だから、借りねぇよ💢」

 

頭に来たのは、この社長がずっとニヤニヤ笑いしながら言ってきたのと、その機械を壊したの俺だと“決めつけて”くる事だ。

 

態度😏も頭に来るし、どう考えても俺がその機械を壊したとは思えなかった。

確かに操作したが、それは数分。

しかも、正確には操作ではなく、部品を接着(?)した製品を台座から外しただけ。

どこに壊す原因があるのか?

だが、社長は俺を“犯人”だと決め付けて、とにかく「金💴を借りてこい」の一点張り。

 

断り続けると、今度は「必ず返すから、借りてこい」と言い出した。

当然、俺は断った。

 

ここで社長がニヤニヤ笑いを止めた。

 

怒り出し、金💴を借りてくる事を懇願しだした。

 

俺は「何でだよ💢」と突っぱねた。

 

社長は「機械が治らないと、仕事にならないんだよ💦」とした。

そんなもん、自力で治せ、という話だった。俺を無理やり“犯人”にして、修理代を出させようとする意図が見え見えだった。

 

社長は「この機械、リース(発注先の工場🏭️から貸出)なんだよ💧」と訴えた。

 

話を聞くと、請け負い業務の悲しい現実が見えた。

 

この工場(請負)は、大工場🏭️(親会社)から製品化前の素材を貰い、それを作る“機械ごと”借りて(リース)してくるらしい。

つまり請負側の工場は、場所と人(作業員)を揃えるだけ。後は、納期を決め、それまでに“戻す”ように契約。

さらに機械は“瑕疵保険”(?)を付けて、不具合や故障は請け負い先に任せる。

そうすれば、大工場🏭️は出来上がった製品を受け取るだけ。(チェックはするけど)

製品から機械の修理まで“丸々”請け負わせる“丸請け”だった。

 

請負先のこの工場は、機械が入るスペースと人を集めるだけで、仕事が出きる。

製品毎に専用の機械を仕入れたり、購入したりすることがないので、コストが低い。

 

…ただ、発注先の工場の“言いなり”に近くなる。

 

こうして、この社長は工場🏭️から仕事を受けていたのだ。

壊われた機械の修理はこちら(請負先)の責任なのだ。

だが、この社長の工場はかなりギリギリ。「とても修理代を出せない💧」(と社長は言っていたが?)

 

だから、俺に「頼む🙏」となっているようだ。さらに俺には「壊したのは、お前」と責任の押し付け。

 

俺は頭に来て、2度とここに来ないことを告げて帰ろうとした。

社長は「お前をバイトとして雇うぞ」と言ってきた。

もちろん断った。先週も断った話だ。

 

どうもこの社長は俺の事を『コイツ、“日雇い”だから、バイト(直接雇用)を“エサ”にすればいう事を聞く』という思い込みがあるようだった。

 

だが、さすがに俺も働く場所は選ぶ。

 

そのまま工場を去り、そのままフルキャリの事務所に電話し、内容は詳細には言わず「…もうあそこからの仕事は受けない」と言った。

 

俺はこんなバカ(社長)に関わったことに後悔した。

だが、恐ろしいのここからだ。

 

俺は後日、いつものピッキングの日雇いに派遣された。

 

そこで若い日雇い同士が話し込んでいるのを聞いた。

それは「袋井の小さな工場」での「配送」の仕事らしかった。

そして、配送用の「ワゴン車」に乗っていると、『サイドブレーキの下』に『一万円札』が落ちていて、それをその工場の『社長』から『お前、盗ってないか?』と言われたらしい。

その若者は「てっきり俺のお金だと勘違いしました」と誤魔化し返したが(それもどうかと思ったが)、そうすると社長が「ここのバイトになれ」と言い出し、『断ってきた』という話だった。

 

…何か、身に覚えのある話だった。

 

つまり、やはりあの一万円は社長がわざと落とし、それを俺にネコババさせて、それをネタにこちらを“言いなり”にさせようとしていたのだ。給油⛽で落とした訳ではなかった。

それで、あの時、あんなにおかしな顔をしたのだ。

つまり社長の仕掛けた“罠”だったのだ。

あぶねぇ…。

もし変な気持ちになり、あの万札を自らの財布に入れていたら、しばらく、いや一生あのニヤニヤ社長の“奴隷”だった。

 

…これは俺の勝手な予想だが、あの社長は何か嫌な事を感じると、ニヤニヤしてしまうのではないか?

イラッ💢を感じるとニヤニヤ😏と笑ってしまうのでらないか?

内心では、(…この野郎!)だったのではないか?

 

他人を自分の思い通りにしたい。

自分は悪くない。

とにかく、自分の思い通りになる“組織”にいたい。

嫌なこと、困惑は“手下”にお任せ。

自分は何も動かないし、動けない。

 

俺の嫌う“小さなグループのリーダー”になりたかったのだろう。

それで、日雇いの俺を自分の“子分”だと思っていたらしい。

俺は、あんな零細工場に就職(しかもバイト)したいわけがない。

あんなバカ(ニヤニヤ社長)の下では働きたくなかった。

何度も書くが、金💴の為に働いていた。ただそれだけだ。

自分を“カリスマ”社長とでも思っていたのか?

どこがだよ(笑)

 

「あそこの社長、どうしようもねぇな(笑)」と、その若者が話しているのを聴いて、俺は恐くなっていた。

そこまでして、言いなりになる人間が欲しかったのか?

あの“荷受け役”との交渉や“資金調達”をしたくなかったのか?

だから、一万円札💴で日雇いを罠を張る…。

なんて狡猾で、小さな器の人間なのだ。

俺はあの工場から離れた事を心から喜んでいた。

 

ちなみに、その工場はかなり前に倒産したようだ。当たり前だな?

 

そして、俺にこの第2期の終わりが近付いていた…。