「おー、分かった、分かった。…掛川駅、わかるか? あそこに“金借りる機械”(消費者金融?)あるからよ。そこで金借りてきなよ…」
社長にニヤニヤ顔でそう言われ、俺はさすがにキレてしまった💢
俺「何、言ってんだ💢、借りるわけねぇだろ💢」
社「いや、この機械が動かないと、仕事にならないんだよ。お前が壊したんだろ?」
俺「はあ? 俺が触ったのは先週だよ?」
社「その時、何かしただろ?」
俺「何かて何だよ?💢、何もなかったよ💢」
社「…分かった、分かった。金は返すから、借りてこい。免許証は持っているだろ?」
俺「だから、借りねぇよ💢」
頭に来たのは、この社長がずっとニヤニヤ笑いしながら言ってきたのと、その機械を壊したの俺だと“決めつけて”くる事だ。
態度😏も頭に来るし、どう考えても俺がその機械を壊したとは思えなかった。
確かに操作したが、それは数分。
しかも、正確には操作ではなく、部品を接着(?)した製品を台座から外しただけ。
どこに壊す原因があるのか?
だが、社長は俺を“犯人”だと決め付けて、とにかく「金💴を借りてこい」の一点張り。
断り続けると、今度は「必ず返すから、借りてこい」と言い出した。
当然、俺は断った。
ここで社長がニヤニヤ笑いを止めた。
怒り出し、金💴を借りてくる事を懇願しだした。
俺は「何でだよ💢」と突っぱねた。
社長は「機械が治らないと、仕事にならないんだよ💦」とした。
そんなもん、自力で治せ、という話だった。俺を無理やり“犯人”にして、修理代を出させようとする意図が見え見えだった。
社長は「この機械、リース(発注先の工場🏭️から貸出)なんだよ💧」と訴えた。
話を聞くと、請け負い業務の悲しい現実が見えた。
この工場(請負)は、大工場🏭️(親会社)から製品化前の素材を貰い、それを作る“機械ごと”借りて(リース)してくるらしい。
つまり請負側の工場は、場所と人(作業員)を揃えるだけ。後は、納期を決め、それまでに“戻す”ように契約。
さらに機械は“瑕疵保険”(?)を付けて、不具合や故障は請け負い先に任せる。
そうすれば、大工場🏭️は出来上がった製品を受け取るだけ。(チェックはするけど)
製品から機械の修理まで“丸々”請け負わせる“丸請け”だった。
請負先のこの工場は、機械が入るスペースと人を集めるだけで、仕事が出きる。
製品毎に専用の機械を仕入れたり、購入したりすることがないので、コストが低い。
…ただ、発注先の工場の“言いなり”に近くなる。
こうして、この社長は工場🏭️から仕事を受けていたのだ。
壊われた機械の修理はこちら(請負先)の責任なのだ。
だが、この社長の工場はかなりギリギリ。「とても修理代を出せない💧」(と社長は言っていたが?)
だから、俺に「頼む🙏」となっているようだ。さらに俺には「壊したのは、お前」と責任の押し付け。
俺は頭に来て、2度とここに来ないことを告げて帰ろうとした。
社長は「お前をバイトとして雇うぞ」と言ってきた。
もちろん断った。先週も断った話だ。
どうもこの社長は俺の事を『コイツ、“日雇い”だから、バイト(直接雇用)を“エサ”にすればいう事を聞く』という思い込みがあるようだった。
だが、さすがに俺も働く場所は選ぶ。
そのまま工場を去り、そのままフルキャリの事務所に電話し、内容は詳細には言わず「…もうあそこからの仕事は受けない」と言った。
俺はこんなバカ(社長)に関わったことに後悔した。
だが、恐ろしいのここからだ。
俺は後日、いつものピッキングの日雇いに派遣された。
そこで若い日雇い同士が話し込んでいるのを聞いた。
それは「袋井の小さな工場」での「配送」の仕事らしかった。
そして、配送用の「ワゴン車」に乗っていると、『サイドブレーキの下』に『一万円札』が落ちていて、それをその工場の『社長』から『お前、盗ってないか?』と言われたらしい。
その若者は「てっきり俺のお金だと勘違いしました」と誤魔化し返したが(それもどうかと思ったが)、そうすると社長が「ここのバイトになれ」と言い出し、『断ってきた』という話だった。
…何か、身に覚えのある話だった。
つまり、やはりあの一万円は社長がわざと落とし、それを俺にネコババさせて、それをネタにこちらを“言いなり”にさせようとしていたのだ。給油⛽で落とした訳ではなかった。
それで、あの時、あんなにおかしな顔をしたのだ。
つまり社長の仕掛けた“罠”だったのだ。
あぶねぇ…。
もし変な気持ちになり、あの万札を自らの財布に入れていたら、しばらく、いや一生あのニヤニヤ社長の“奴隷”だった。
…これは俺の勝手な予想だが、あの社長は何か嫌な事を感じると、ニヤニヤしてしまうのではないか?
イラッ💢を感じるとニヤニヤ😏と笑ってしまうのでらないか?
内心では、(…この野郎!)だったのではないか?
他人を自分の思い通りにしたい。
自分は悪くない。
とにかく、自分の思い通りになる“組織”にいたい。
嫌なこと、困惑は“手下”にお任せ。
自分は何も動かないし、動けない。
俺の嫌う“小さなグループのリーダー”になりたかったのだろう。
それで、日雇いの俺を自分の“子分”だと思っていたらしい。
俺は、あんな零細工場に就職(しかもバイト)したいわけがない。
あんなバカ(ニヤニヤ社長)の下では働きたくなかった。
何度も書くが、金💴の為に働いていた。ただそれだけだ。
自分を“カリスマ”社長とでも思っていたのか?
どこがだよ(笑)
「あそこの社長、どうしようもねぇな(笑)」と、その若者が話しているのを聴いて、俺は恐くなっていた。
そこまでして、言いなりになる人間が欲しかったのか?
あの“荷受け役”との交渉や“資金調達”をしたくなかったのか?
だから、一万円札💴で日雇いを罠を張る…。
なんて狡猾で、小さな器の人間なのだ。
俺はあの工場から離れた事を心から喜んでいた。
ちなみに、その工場はかなり前に倒産したようだ。当たり前だな?
そして、俺にこの第2期の終わりが近付いていた…。