鈴木篠千の日記

2度目の移籍。浜松近郊でフリーライターしてます。①日記(普段の生活やテレビの話題と社会考察) ②プロレス心理学(とプロレス&格闘技の話) ③非居酒屋放浪記 ④派遣録(派遣していた&いる時や過去の話)

ゴリさんの思い出

あれは、脳腫瘍になる前。

会社をクビになり、日雇い仕事で何とか生きていた頃の話だ。

 

俺は浜松市内の倉庫で働いていた。

日雇いだが、結果二週間程の継続勤務になった。金のなかった俺にはありがたい現場だった。

 

それで、3日ほど働いていた時、同じ派遣の人間に誘われた。

 

「◯◯って、パチンコ屋、行かない? あそこ、出るんだよー」

 

パチスロ🎰の誘いだった。

俺はパチスロ、パチンコをほぼやらない。

(手術後、期間バイトでパチスロ台作成をする事に)

俺は当然、断った。

俺の親父はギャンブルが大好きで、パチンコ、オート(レース)、競馬など、子供の頃から見ていて、儲かるイメージは無く、“とある”情報も聞いていたので、断った。

 

誘ってきた派遣の男はなかなか執拗だったが、俺は止めておいた。

 

“とある情報”というのは、同じ現場の“ゴリさん”(あだ名)からの情報だ。

“ゴリさん”というのは、俺が勝手に付け足しあだ名である。

ノリユキ?、ノリヤ?が名前で、風貌がゴリラ🦍に似ていたので、俺は密かにそう呼んでいた。

ベテランの派遣バイトで、よく現場で一緒になった。特に仲良くはなかったが、昼めしなどを一緒に食べた。

 

その現場でも一緒になり、教えてくれた。

 

🦍「あの、◯◯◯って派遣いるだろ?」

俺「…ああ」

🦍「あれ、気をつけろよ」

俺「何で?」

🦍「“ノリ打ち”、誘ってくるぞ?」

俺「…ノリ打ち?」

 

それは、パチンコやパチスロ🎰などを複数で行い、勝った人間が、負けた人間のマイナス分を埋める“作戦”であった。

複数人でパチスロを行い、誰かが勝てば、負けた人の分をフォローする、として1人の負け分を“薄める”事ができる。

 

一見、良さそうな気がした。

だが、ゴリさんは行った。

「バカか💢 たまたま誰か勝てば良いけどよー、負けたら最悪だろ? しかも自分が勝っても他人の負け分を強制で埋め合わせるんだぞ!?」

 

これがあり、俺は誘いを断った。

 

だが、困った事が起きた。

俺を誘ってきた派遣もまたベテランらしく、俺はそのグループに目をつけられてしまい、やたらと辛く当てられた。

 

俺は、この時はゴリさんを恨んだ。

(…あん時、一緒に“ノリ打ち”しとけば、良かったかな)

(…ゴリさん、気にしすぎだろ?)

 

だが、今になれば俺はゴリさん🦍に感謝している。

よく考えたら、この“ノリ打ち”は全く損な話だ。

 

実際、その後、この“ノリ打ち”グループが儲けの取り分で揉めているのを知っている。

ゴリさん🦍の言うとおり、『全員負けたら、意味が無い』。

『勝っても、他人に持って行かれる』

 

長い眼でみたら、損しかない。

 

俺はギャンブルは反対ではないが、決して推進派でもない。

自身の収入で、生活や家族に影響がないくらいならやるのは、自由だ。(それも“程度”があるが)

 

だが、前提として『ギャンブルは儲からない』と思っておくのが、ベストだ。

 

ちなみに、このゴリさん🦍はしばらく会わなくなったが、術後、派遣を再開した俺は何度か再会したが、口が不自由になった俺におそろしく冷たい態度を取った人間である。