鈴木篠千の日記

2度目の移籍。浜松近郊でフリーライターしてます。①日記(普段の生活やテレビの話題と社会考察) ②プロレス心理学(とプロレス&格闘技の話) ③非居酒屋放浪記 ④派遣録(派遣していた&いる時や過去の話)

5/17 面接にて…。

…以前、退院してすぐの頃の話だ。

 某社会保険機構を契約解除になった俺はすぐに働きたく、もがき続け、面接に落ちまくっていた。

 

 そんな中、浜松市内のとある介護事務所の面接に受かった。介護者の送迎やサポートが仕事だった。

 喜び勇んだ俺は、主治医に就労許可の書類を依頼し、雇い前検診の予約をした。

 そして、介護事務所に「初出勤は早めにしましょうか?」と電話した。

 すると、俺を担当した社員さんが申し訳かざそうな声で俺に告げた。

 

 「…あのぅ、この前の採用の話、無かった事に…」

 

 俺は仰天した。

 すっかりその介護事務所で働きたくつもりでいたからだ。就労許可書も検診も頼んでいたから。

 その担当社員がいうには、俺の履歴書を見た“上”の幹部たちが「そんな病気(脳腫瘍)だった奴を雇うの危ないだろ。止めろ」と言ってきたらしい。

 「現場では鈴木さんに来て欲しいんですが…」

 社員は申し訳無さそうに電話口の俺に言った。

 内心(…そんなぁ)と思ったが、病院にいて介護の大変さは見ていた。俺自体、手術直後は介護無しでは生活出来ない身体だった。あの大変さは分かっていた。

 金が無く、求人を見て飛び付いた仕事だったが、そんな風に断られるとは思っていなかった。

 俺は確かに病気(脳腫瘍)を患っていた。

 2回も手術してようやく元の生活に戻った。

 身体の機能は戻った。社会生活に問題は無い(と思う)

 口だけは呂律がおかしかった(今も?)

 働ける気持ちでいたので、非常に残念だった。

 

 それよりも気になったのが、電話口の社員さんが「こちらから電話しようと思っていたのですが…」と言っていた事だ。

 

 ひょっとして俺の内定切りはもっと前に決まっていたのではないか?

 それを、この社員はなかなか言えず、直前に俺が電話してきたので、“言えた”のではないか?

 

 気持ちは分かる。

 一度「採用」としながら、「やっぱりダメ」は告げ辛い。

 

 しかし、それか働く前なら多少平気なのではないか?

 俺にはそこが分からない。

 

 さらに昔、大学卒業後に俺はブラック企業に就職した。

 入社してすぐに新規店舗のメンバーに選ばれ、同期の奴と新店舗立ち上げを行った。

※といっても俺が優秀だったわけではなく、当時ものすごい勢いで出店ラッシュ中だっただけ💦

 

 で、新規バイトの面接をその同期としていた。

 いろんな人が面接に来た。

 その履歴書を預かり、それを本社に送るが、採用不採用は基本、現場の俺たち社員の判断に任されていた。

 俺と同期は1日の面接終了後、面接したバイト候補者たちを“選んだ”。

 それで、良さげな応募者には採用の連絡を。不採用の応募者にも連絡をした。

 すると、同期は採用者には連絡するが、不採用者には連絡をしたがらない。「…しにくいよ」と言うのだ。

 なので、俺が代わりにした。

 中には「そんなぁ…」と残念がる応募者もいたが、俺は気にならなかった。

 何故なら、“一緒に働いてはいない”からだ。

 少し失礼かもしれないが、その時点では親しみを感じられない。こちらの話としては不採用を通達するしかないだろ?

 面接なのだから、採用と不採用がある。仕方ないだろ?

 就職氷河期を過ごしてきた俺からしたら、不採用はごくごくある話だ。遠慮しても仕方ないだろ。

 

それは俺の同期も同じなはずだが、彼は「お前、よくバンバン不採用の話できるな?」と関心していた。

 

 この経験もあり、俺は面接で不採用になることに対して、あまり苦痛を感じない。

 そして、“状況”に寄れば、言いにくい事も言ってしまう(らしい)

 

 …ま、退院後の面接では“これ以上”に露骨な態度を取る会社があったが。

 また俺自身、事故をしたりしたから、運転は苦手だので、今から思えば妥当かな?

 

 何故、人は話しにくい話を“遠慮”、“後回し”にするのか。

 それは言うしかないだろ。

 確かに話しにくい状況はある。その介護事務所がそうだろう。一度はOKをしながら、『やっぱりダメ』だからだ。

 だが、言うしかない。“上”がダメだというのなら、会社という組織である以上、ダメだ。そう話すしかない。

 もしあのまま、俺が連絡せずに、出勤予定日に来たら、どうするつもりだったのか?

 俺はそう質問した記憶がある。

 すると、電話口の社員さんは「…本当にごめんなさい。この私の声を聞いて貰えたら分かると思いますが…」と言うのみだった。

 俺が怒っていて(そりゃ怒って💢いたが)、社員さんは、とにかくそれ(怒り)を収めて欲しい、といった感じだった。「…仕方ないよね」とでも言いたかったのかも?

 

 俺は呆れた。

 問題があるのは、病気上がりなのに「働きたい」と言って来た俺だろ。

 言いにくいが、その事をすぐに言わないといけないだろ?

 俺が何かを察するとでも?

 時間が解決するとでも?

 初出勤当日に説得?

 

 …いやいや、無理無理。

 全く理解しがたい事だった。そのままでは何の解決にもならないだろ。少しは自身から行動したら良いのに…。

 

 それからである。

 俺は自ら話しにくい事が言えない奴をひどく小馬鹿にするようになった。

 “腰抜け”

 “臆病者”

 “弱いものイジメ

 話つらい事こそすぐに言うべきではないか?

 誰かに任せるな。己で動け!