入院中の親父を、また見舞いに行ってきた。
先日、親父からの連絡のように、早ければ今週中には退院できるようだ。
ちなみに入院している病院は俺の働いていた病院ではない。
親父が喜んでいたように、首に出来た瘤は小さくなっていた。
ただし、無くなったわけでは無い。
末期のリンパ腫はどうなるのか?
医師が言うには、「リンパ腫には90種類あり、それによれば転移の早いものも多い。だが、お父さんの癌は比較的転移の少ないタイプの癌のようだ」との事だった。
実際、父親の知り合いで同じリンパ癌を発症した男性がわずか数ヵ月で身体中に転移し、亡くなった…。
親父は運が良かったらしい。
だが、末期は末期。今後も治療はこのまま継続。
親父は元気だった。
今日も「饅頭が食いたいから持って来い」と言ってきた。食べて良いのか?
親父の人生が“終盤”にきているは明白。
俺はいつまでも無職では、どうにもならない。
母を助手席に乗せて帰っていると、俺の勤めていた病院の近くを通った。
「アンタ、もう一度、ここで働かせてもらえないの?」
母が言ってきた。
親父が入院し、二週間近く一人で生活して寂しかったのだろう。
先日の次郎🏮での大将の言葉が思い出された…。
俺に自宅に戻ってきて欲しいのかもしれない。
俺にはそう思えた。
俺は少し悩んでいる。
しかし、今、実家に戻るのは…。
実家に戻るも、既に午後5時前。
もう甥っ子は呼べないな。