実家に行くと、父親は意外と元気にテレビを観ていた。
「…おお、お前か?」
「お、お前か、じ、じゃ、ないだろ? 検査、わ、悪かったんだろ?」
「おー、アレだ」
どうも親父の言う「あれ」とはリンパ癌らしい。親父は自身の体調に関してあまり悲観的に考えない。
悪い事はないが、少し暢気過ぎてカチン💢とくる。
だから、今も隠れてタバコ🚬を吸ったり、酒🍺を飲んだりしているのだろう。自殺行為だ。
弟はまだ来ていないらしい。
俺は両親が非常に心配だ。
リンパ癌は月末の再検査を受けてから、どうするか決めるが、狭心症はかなり深刻。ペースメーカーのお陰で動けているし、血圧剤の効果でまた急に倒れる事は無い。
だが、父親の足はそろそろ限界。
もう動きがスローモーション。
だからトイレに間に合わす、漏らしてしまう💦
今後の事を両親、俺、弟夫婦で話し合いたいのだが…。
当の親父はのんびりしていてイラする。
…会社の連中も俺にこんな印象を感じているのだろうか?
そして、母から衝撃的な話を聴かされた。
親父のリンパ癌はステージ5の末期。
悪性リンパ腫癌の生存率など調べなくても分かる。
しかも、狭心症を患い、ペースメーカーを入れている親父は手術(喉)が出来ない。抗生物質治療するらしいが、それは良い方に向かうだろうか?
マイナスを幾分と少なくできるが、親父の命はもう長くはならないだろう。
俺は激しく動揺した。
親父本人の雰囲気からもっと良性かと思っていた。
もう親父は…。
考えたくないが。
弟は今日(8/13)は来れないようだ。
明日の午前中に改めて家族会議だ。
当然、退職の話は出来なかった。
とてもじゃないが両親に「仕事、辞めるんだ」とは言えない。
親父、すまん…。
俺は…。