鈴木篠千の日記

2度目の移籍。浜松近郊でフリーライターしてます。①日記(普段の生活やテレビの話題と社会考察) ②プロレス心理学(とプロレス&格闘技の話) ③非居酒屋放浪記 ④派遣録(派遣していた&いる時や過去の話)

派遣録 38 コンサートスタッフ(区別という見解)

『イベント手伝い』にはコンサートなどもあった。

 

夏になると、有名ダンスグループのコンサート(袋井)大規模フェス(嬬恋)などのスタッフをした。

2008年は野外コンサートが多かったかな?

 

夏場によくあるバイトだが、若い日雇いスタッフが多く、俺のような30のオジサンは場違いに感じられた。(俺の他にもいたが…)

 

こうしたコンサートに来ていたお客の様子は、皆、楽しそうで盛り上がっていた。

 

その姿を見ると、何ともやりきれない気持ちになった。

 

俺としては、夏になるまで日雇いなど続けるつもりはなかった。

さっさと就職先を決めて、そこでバリバリと働くつもりでいた。 

 

それが、無職で、コンサートで準備や警備などしたくはなかった。

無職の“穴”にどっぷりとはまっていた。

 

リーマンショックの影響はまだ収まってなかった…。

環境のせいにだけしたくはなかったが、俺は全く未来が見えなかった💦 

 

しかし、コンサートやフェスにきているお客は、皆は本当に楽しそうだった。

キラキラ✨していた。『夏、サイコー!』という感じ。悩みなど無さそうで羨ましかった。

舞台で踊り、歌い、演奏するアーティストに夢中だった。  

 

よく考えてみたら、コンサートやフェスなどそんなものだが、こんな精神状態の時に日雇いで行くと、あまり良くない。

無用の苛立ちが沸いてくるのだ。

他人に“差別”されているような怒り💢

小馬鹿にされたような気分。

意味の無い苛立ちだった。

 

俺だけが、別に避けられているような、人とは違うエリアに「アンタは“あっち”」と“区別”された気がした。

それは、俺の僻みに過ぎないのだったが…。

そういう気分になる。

 

ダンスグループのコンサートのスタッフをしていた時のこと。

そのコンサートでは、客席に通路(花道?)が作られ、アーティストが客席に向かって走ったり、踊ったりした。

俺達日雇いスタッフは、実はその通報の中に待機させられた。

そして、花道(上)を誰がが通ると、表に出て、殺到する観客の警備をした。

 

ある時、俺達が飛び出ると、目の前で、若い女性らが大喧嘩していた。

かなりビビッたが、双方掴み合いの大喧嘩を展開。

「ズルい!💢」

「離せ!💢」

「私が先!💢」

俺を含めた数人の警備が引き離そうとしても、全く無理。

話を訊くと、アーティストが花道でギターのpick(?)を観客に投げ、それを取り合っていたのだ。

 

俺達はどうしようも出来ず、近くの社員スタッフに報告し、任せることにした。

その後、その取り合っていた女性二人は看護室(?)に連れていかれた。

どうなったか、分からない。

 

そして、俺達は社員スタッフから怒られた。

何でだよ💢

 

俺はあのアーティストのように“花道”にはもう戻れない気がした。

また、pickを取り合っていた女性らのように、夢中になる事もないような気もした。

 

どこまでも、花道の下で待機する日々が続きそうに思えた。

区別された境界線から抜け出せない気がしていた。

pickを泣けたアーティストも、それを奪いあったファンの女の子ら👧👧も、俺とは違う“向こう”側にいたような気がしていた。