病院移転の続き。
俺と組んだ日雇いは、その後もエレベーター前で怒り続け、ついには俺へおかしな事を言ってきた。
「これ、遅くなりますよね、リーダー?」とか「こうも詰まると厳しいっすね、このあと」やら「リーダーも早く運びたいでしょ?」などと、俺を“リーダー”と呼び、まるで移転作業の“統轄者”のように呼び出したのだ。
この現場のリーダーは、運送屋の社員であり、俺ではない。
それに俺はエレベーターは『待つしかないよ』と何度もそいつに諭した。
そして、昼休憩の時。
俺は社員に呼び出され、怒られた。
「朝、言ってだろ? 院内のエレベーターは関係者優先。待つしかないんだよ💢」
俺は「…はい、知ってますが?」と答えた。
すると、「君が『エレベーターが遅い』とか『ここ以外を使わせろ』と言ってたんじゃないのか?」と聞いてきた。
例の“相方”のせいだった。
アイツが社員に「一緒に組んだ人(俺)がエレベーターの事で『遅くなる!』と怒ってました」と言ってもいないことを告げたらしい。
何故、そんな事を?
後からそいつに厳しく訊いたら、「リーダー(俺)も遅くなるのは良くないと思っていたでしょ?」と言ってきやがった💢
何度も書くが、俺はリーダーではないし、エレベーターに不満ほない。
要するに、このバカは、自分一人では社員に主張(不満)できないから俺を無理やり巻き込んだのである。
また出た。“腰抜け”だ。
あの“中やん”(元同級生の彼氏)や“西田”と同じだ。
言いたいことを一人でいう勇気がない。そして、他人を無理やり巻き込むのだ。
何で、他人を頼る?
俺は社員に対し、別にエレベーターの待ちに不満がないことを伝え、組んでいたバカが「ごちゃごちゃと言ってました」と正直に教えてやった。
そのバカは、口の中に糞でもぶち込まれたような苦い顔をしていた。ざまあみろ、である。
そして、その社員となにやら揉めていた。
エレベーター前での“大渋滞”の事を、ようやく社員に訴えらしい。最初からそうしろや💢
西田のように。日雇いはよく自分から行動できない奴が多かった。
俺も“自発的”とまでは言えないが、言いたいことは自ら言っていた。
そうでなければ、我慢した。
他人には任せない。
また“アイツら”みたくなりたくなかったからだ。
そして、午後からそいつは別の移転部署に移動になり、俺は同じ現場にいた“ゴリさん”と組み、午前同様にカゴ台車での移動作業をした。
そして、翌日。
またコイツが問題を起こす。
まだ続く…。