昨夜の介護施設の夜勤で“いろいろ”思い出した。
“居場所”を失った人間を思い出した。
大学生の頃、同じサークルに“足立”(仮名)という先輩がいた。
俺はこの先輩の事をこのブログや小説(迎合)などで度々語っている。
それだけ印象的な人間だった。
足立先輩は、ちょっと性格に難のある人だった。
同じサークルでも女性には良い顔をするが、男は毛嫌いした。
それくらいならよくあるタイプの先輩だが、その他にもおかしなところが多い人間だった。
サークル内でも比較的おとなしいタイプの学生を小馬鹿にしたり、からかったりしていた。
俺もよく笑いのネタにされたりした。
にもかかわらず、俺と二人きりになると、露骨にすり寄ってきたりした。
口癖の1つは「俺、こんなサークル、いつでも辞めてやるわ」であった。
サークル内で気に入らない人間がいると、露骨に無視したり、遠ざけたりした。
実は、足立さんはサークル内で俺の同級生の女の子と付き合っていて、彼女は一年生の時にサークルを辞めた。
俺は「こんなサークル、いつでも~」というと言っていた足立さんだから、一緒に辞めるのかと思った。
だが、足立さんは辞めなかった。
周囲に不満や悪態を吐きながら、その後もサークルに居続けた。
今から思うと、あのサークルは足立さんにとって、大学内で唯一の“居場所”ではなかったか、と思う。
足立さんには、他に居る場所がなかったのだろう。
俺もサークルは大好きだった。
だが、バイトや他の場所にもいることが出来た。
だが、足立さんにはあのサークルしかなかった。
サークル内なら、足立さんは“威張れて”、女の子にちやほやされる“人気者”だった。
その一方で、その態度を嫌う人も多かった。
サークル内のそういう人間と対立して、排除したりしながら、足立さんは一向にサークルを辞めなかった。
足立さんは、口ではとやかく言いながら、このサークルを居場所だと思っていたようだ。
その証拠に、足立さんは卒業してもよくサークルの集まりに顔を出していた。
ちょうど“就職氷河期真っ只中”だった。足立のように卒業しても働いていない人は多かった。
そんな足立さんはよくサークルの集まり(飲み会)などに来ていた。
「お前に会いに来たんやないで、後輩(女の子)に会いに来たんや」と足立は“強がり”を言っていた。
それは、本当に強がりだったと思う。
それは俺も卒業してから思った。
社会に出たら、自分の思い通りにならないことばかりだ。頭に来る事ばかり。
ブラック企業で働いていた俺は、組織の理不尽を散々味わったりした。
それでもなんとか折り合いを付けてやっていた。
足立さんにはそれが無理だった。
大学のサークルという“小さなグループ”内で威張れたり、遠慮される存在だが、社会に出たらそんな事はならない。
そんな環境に、足立さんは“対応”できそうになかった。
そんな足立さんが“逃げ込んだ”のが、卒業した大学の元いたサークルだった。足立さんは“居場所”に戻って来たかったのだろう。
だが、皆、足立さんだけに構ってはいられない。
足立さんが可愛がっていたサークルの後輩も卒業が近付くし、仲の良かった同級生らもバラバラになっていった。
気に入らない他人を小馬鹿にし、排除し続けた足立さんは、“最期”は自分自身を“排除”してしまった…。
俺はブラック企業を辞めようとする間際に、その一報を聞いた。
その時、非常に不謹慎だが、「…だろうな」と思ってしまった。
足立さんがは、あまりにも社会を“渡り歩く”のが難しい性格だった。“そういう結果”を選んでしまうのが、わかってしまった。
足立さんはこの社会に“適合”するのが、難しかった。だから…。
それが、彼のそれまでの行動からわかってしまった。
バカだな、と思った。
◯んでどうなる?
社会に適合できないなら、違う対応をすれば良い。それは生きていなければ、出来ない。
生きていなければどうにもならない。
性格が悪かろうと、利己的だろうが、居場所をなくそうが、また生きて対応するべきだ。
だから“自らを排除する”のは、間違っていると俺は思う
足立さん(…を含む多くの“似たような人間”は…)、自身が遠慮され、尊敬され、思い通りにになる“居場所”でしか生きていけない。
だから、“小さなグループ”を作り、そこから出たがらない。
足立さんが卒業しても、大学のサークルに現れたように。
俺はそんな奴らを、ここまでたくさん見てきた。
ブラック企業の幹部…。
求人誌の編集室…。
倉庫会社…。
どこかの組み付け加工工場…。
病院の清掃請負業者…。
どこかの金属加工工場🏭️…。
いろんな会社の部署とか…。
時々、中小企業の社長などが倒産すると自◯とかする。あれはお金💴の問題もあるのだろうが、“居場所”を失うということに耐えられなかったのではないか、と俺は思う。
せっかく“築いた居場所”が無くなることは、“彼ら”は耐えられないのではないか?(足立さんのように…)
介護施設の“本田2”を見ていて思った。
雑談をしたときに聞いたが、本田2は、元々小さな会社を経営していたと聞いたことがある。
彼も小さなグループ(居場所)の住人では、と思う。
そして、俺もそうだ。
出来たら、小さなグループで威張り腐っていたい。
自分に遠慮してくれる人間とだけ付き合っていたい。
居場所が欲しい。
…だが、そんなもんは無理だとよくわかっている。
だから、俺は昔にいた求人誌会社のあのクソ部長“ら”が気になる。
“あの居場所”が失くなった(倒産)したら、あのバカ(部長)はその居場所を失う。
あの居場所しか、“アイツら”(特に“本田”部長)は“生きていられない”のでは?
ならば…、と嫌な予感がするんだ。
『あんな奴、死んでも構わない』と思っていたが、俺は“自らを排除する人間”を認めない。
どんなクソ野郎も、クソ野郎なりに生きていろ。バーカ😜