鈴木篠千の日記

2度目の移籍。浜松近郊でフリーライターしてます。①日記(普段の生活やテレビの話題と社会考察) ②プロレス心理学(とプロレス&格闘技の話) ③非居酒屋放浪記 ④派遣録(派遣していた&いる時や過去の話)

2024 1/7 “足立”先輩の話(居場所の話)

昨夜の介護施設の夜勤で“いろいろ”思い出した。

“居場所”を失った人間を思い出した。

 

大学生の頃、同じサークルに“足立”(仮名)という先輩がいた。

俺はこの先輩の事をこのブログや小説(迎合)などで度々語っている。

それだけ印象的な人間だった。

 

足立先輩は、ちょっと性格に難のある人だった。

 

同じサークルでも女性には良い顔をするが、男は毛嫌いした。

それくらいならよくあるタイプの先輩だが、その他にもおかしなところが多い人間だった。

 

サークル内でも比較的おとなしいタイプの学生を小馬鹿にしたり、からかったりしていた。

俺もよく笑いのネタにされたりした。

にもかかわらず、俺と二人きりになると、露骨にすり寄ってきたりした。

 

口癖の1つは「俺、こんなサークル、いつでも辞めてやるわ」であった。

サークル内で気に入らない人間がいると、露骨に無視したり、遠ざけたりした。

 

実は、足立さんはサークル内で俺の同級生の女の子と付き合っていて、彼女は一年生の時にサークルを辞めた。

俺は「こんなサークル、いつでも~」というと言っていた足立さんだから、一緒に辞めるのかと思った。

だが、足立さんは辞めなかった。

周囲に不満や悪態を吐きながら、その後もサークルに居続けた。

 

今から思うと、あのサークルは足立さんにとって、大学内で唯一の“居場所”ではなかったか、と思う。

 

足立さんには、他に居る場所がなかったのだろう。

俺もサークルは大好きだった。

だが、バイトや他の場所にもいることが出来た。

 

だが、足立さんにはあのサークルしかなかった。

サークル内なら、足立さんは“威張れて”、女の子にちやほやされる“人気者”だった。

 

その一方で、その態度を嫌う人も多かった。

 

サークル内のそういう人間と対立して、排除したりしながら、足立さんは一向にサークルを辞めなかった。

足立さんは、口ではとやかく言いながら、このサークルを居場所だと思っていたようだ。

 

その証拠に、足立さんは卒業してもよくサークルの集まりに顔を出していた。

ちょうど就職氷河期真っ只中”だった。足立のように卒業しても働いていない人は多かった。

そんな足立さんはよくサークルの集まり(飲み会)などに来ていた。

「お前に会いに来たんやないで、後輩(女の子)に会いに来たんや」と足立は“強がり”を言っていた。

 

それは、本当に強がりだったと思う。

 

それは俺も卒業してから思った。

社会に出たら、自分の思い通りにならないことばかりだ。頭に来る事ばかり。

ブラック企業で働いていた俺は、組織の理不尽を散々味わったりした。

それでもなんとか折り合いを付けてやっていた。

 

足立さんにはそれが無理だった。

大学のサークルという“小さなグループ”内で威張れたり、遠慮される存在だが、社会に出たらそんな事はならない。

そんな環境に、足立さんは“対応”できそうになかった。

そんな足立さんが“逃げ込んだ”のが、卒業した大学の元いたサークルだった。足立さんは“居場所”に戻って来たかったのだろう。

 

だが、皆、足立さんだけに構ってはいられない。

足立さんが可愛がっていたサークルの後輩も卒業が近付くし、仲の良かった同級生らもバラバラになっていった。

 

気に入らない他人を小馬鹿にし、排除し続けた足立さんは、“最期”は自分自身を“排除”してしまった…。

 

俺はブラック企業を辞めようとする間際に、その一報を聞いた。

 

その時、非常に不謹慎だが、「…だろうな」と思ってしまった。

足立さんがは、あまりにも社会を“渡り歩く”のが難しい性格だった。“そういう結果”を選んでしまうのが、わかってしまった。

足立さんはこの社会に“適合”するのが、難しかった。だから…。

それが、彼のそれまでの行動からわかってしまった。

 

バカだな、と思った。

◯んでどうなる?

社会に適合できないなら、違う対応をすれば良い。それは生きていなければ、出来ない。

生きていなければどうにもならない。

性格が悪かろうと、利己的だろうが、居場所をなくそうが、また生きて対応するべきだ。

だから“自らを排除する”のは、間違っていると俺は思う

 

足立さん(…を含む多くの“似たような人間”は…)、自身が遠慮され、尊敬され、思い通りにになる“居場所”でしか生きていけない。

だから、“小さなグループ”を作り、そこから出たがらない。

足立さんが卒業しても、大学のサークルに現れたように。

 

俺はそんな奴らを、ここまでたくさん見てきた。

ブラック企業の幹部…。

求人誌の編集室…。

倉庫会社…。

どこかの組み付け加工工場…。

病院の清掃請負業者…。

どこかの金属加工工場🏭️…。

いろんな会社の部署とか…。

 

時々、中小企業の社長などが倒産すると自◯とかする。あれはお金💴の問題もあるのだろうが、“居場所”を失うということに耐えられなかったのではないか、と俺は思う。

 

せっかく“築いた居場所”が無くなることは、“彼ら”は耐えられないのではないか?(足立さんのように…)

 

介護施設の“本田2”を見ていて思った。

雑談をしたときに聞いたが、本田2は、元々小さな会社を経営していたと聞いたことがある。

 

彼も小さなグループ(居場所)の住人では、と思う。

 

そして、俺もそうだ。

出来たら、小さなグループで威張り腐っていたい。

自分に遠慮してくれる人間とだけ付き合っていたい。

居場所が欲しい。

 

…だが、そんなもんは無理だとよくわかっている。

 

 

だから、俺は昔にいた求人誌会社のあのクソ部長“ら”が気になる。

 

“あの居場所”が失くなった(倒産)したら、あのバカ(部長)はその居場所を失う。

あの居場所しか、“アイツら”(特に“本田”部長)は“生きていられない”のでは?

 

ならば…、と嫌な予感がするんだ。

『あんな奴、死んでも構わない』と思っていたが、俺は“自らを排除する人間”を認めない。

どんなクソ野郎も、クソ野郎なりに生きていろ。バーカ😜