鈴木篠千の日記

2度目の移籍。浜松近郊でフリーライターしてます。①日記(普段の生活やテレビの話題と社会考察) ②プロレス心理学(とプロレス&格闘技の話) ③非居酒屋放浪記 ④派遣録(派遣していた&いる時や過去の話)

介護施設の記憶②(遠山の“独立”)

①の続き。

 

遠山さんの願い

久しぶりに出勤した介護施設で、大久保君(仮名)が教えてくれた。

遠山さん(仮名)が、同じ運営会社の別施設へ異動するという話。

その話自体は以前、遠山さんから聞いていた。

 

だが、驚いたのは、この遠山さんがバイトだった、という事だ。

というか、大久保君に尋ねると、この施設には社員(職員)は数名しかおらず、ほとんどがアルバイト(非正規)らしい。

だが、施設自体が『24時間見守り介護』なので、夜勤連勤が続き、社員(職員)の固定給並みに“稼げて”しまうのだ。

違うのは、待遇とボーナスの有無だ。

 

で、遠山さんは新しい介護施設に異動するがわり、自身を社員(職員)待遇にして、さらにその施設の“トップ”(施設長?)にしてもらうように会社側に申し込んでいるらしい。

 

そんな話をしながら、大久保君は苦笑した。俺も苦笑😅した。

“あの人”らしいと思えたからだ。

 

“元値”

遠山グループの狙いは分かる。

誰にも自分に文句を言わせない“小さなグループのリーダー ”になりたいのだ。

 

ここ(介護施設)にいたら、バイト待遇のまま。

それで給料💴は良いのかもしれないが、遠山さんからすると、他の職員(“真面目グループ”)から、何かと怒られたり、注意されるのが、我慢出来ないのだろう。

自分が一番で、威張れて、誰にも注意や文句されない遠山さんだけの“コミュニティ”(グループ)が欲しいのだ。

こうして人はよくいるし、散々見てきた。

小さく、自分だけが威張れて、自分が一番の“グループ”。

人はそれを欲しがる。

 

俺もそうだ。

去年の夏、あのクソ工場から“逃げ出した”が、それは自分の思い通りにならない“場所”が嫌だったからに他ならない。

他人の意図の中で働くのは、高給💴でも気に入らないものである。もうたくさんだ。

 

遠山さんもそうなのだろう。

 

それが人の“元値”だと思う。

誰にも文句を言われない世界。

頭の上がらない人間のいる世界。

それが欲しいんだ。

 

“独立”と“責任”

 

人は“自分のための小さなグループ”が大好きだ。

そこにいたら、自分は常に一番。誰からも文句は言われない。

 

“独立”は社会に生きる人間の“あこがれ”かもしれない。

自分の勝手が許され、自分だけの“社会”。

それが欲しい。

 

俺にきたあの“スカウトメール”はひょっとしたら、この遠山の“独立”が関係してないか?

 

これは俺の勝手な想像だが、自分の“従順な下僕”が欲しい遠山は、俺に目を付けたのではないか?

(あのたまに来る日雇いの奴なら、俺に逆らわなさそうだ(笑))と思っていたのではないか?

自分が“異動”し、それで俺を誘ったら、俺が二つ返事で従うと思い込んでいたのでは?

 

だが、俺はあの遠山という男を疑っていた。

 

元上司の“本田”(仮名)の雰囲気が濃厚にした。

自分の思い通りにならないと、部下に“当たった”り、愚痴ったりする“パワハラ”野郎ではないか?

 

人当たりが良く、優しいのは、そうして他人を“取り込もう”とする手だ。

マニュピレーションというよくある洗脳だ。

前の工場にもいたな(笑)

 

自分勝手には、“責任”が発生する。当然である。

自分の勝手したいのなら、その責任はその人物に負わされる。

 

もし遠山が異動した先の施設で何かしらの事件が起こった場合、その責任を“あの遠山”が取るのか?

 

極めて怪しい。

責任が取れないような気がする。

 

誰も責任を取るのは嫌だ。

俺も嫌だ。

だが、自分だけのコミュニティで勝手したいなら、そこに責任が発生してしかるべきだ。

他人の“上”に居たければ、常に責任がある。

責任があるから、他人の上に立てるのだ。

 

去年の夏までいた工場の上司は、「俺は仕事に対して責任を取らなくてはならない。お前とは違う」などと吐いていたが、それは上司なら当たり前だ。

責任を取るから、上司なのだ。

「いや、そんなお立場で羨ましいですな(笑)」と笑ってやれば良かった。

俺は頭に来てにらむだけだった…。

 

あの遠山も同じようなものでは?

 

いや、それよりも酷く、責任を取る度胸がありそうもない。

つまり“腰抜け”だ。

そんな雰囲気がする。

 

だがら、俺はあの介護施設(会社)では働きたくない。

だが、この遠山を含めた人間関係がどうなるか、気になっているので、また時々行こうと思ってい。

小説のネタにしたいし、野次馬的な興味がある。

 

【続く】