鈴木篠千の日記

2度目の移籍。浜松近郊でフリーライターしてます。①日記(普段の生活やテレビの話題と社会考察) ②プロレス心理学(とプロレス&格闘技の話) ③非居酒屋放浪記 ④派遣録(派遣していた&いる時や過去の話)

介護施設の記憶①(内紛)

違う記事にも書いたが、現在、日雇い仕事にあまり入っていない。応募が少ない、のではなく、俺の仕事(バイト)が忙しいのもあり、検索自体していない。

つまり、参加自体をしていない。

 

先日、新しい午後からの仕事の面接を予約した。

日雇いは続けられつもりだが、回数は減っていくとと思う。

去年(2023年)の夏から喘いでいた、この生活に少しのメドが立ち、少し落ち着いてきた。(…まだまだだけど)

 

ここで、この半年に俺が最も働いていた“あの”介護施設の話をまとめておこう、と思う。

noteで書いている『派遣録』でもそのうちに書くだろう。俺の小説、浜松“合シリーズ”で必ず元ネタになるだろう(笑)

 

まず大前提として、俺は“介護業界”で働く気持ちが薄い。

以前、病気(脳腫瘍)でリハビリしていたことや、長い間、実家近くの病院で働いていたことから、“介護”の大変さは目の当たりにしている。

さらに、親父が狭心症と末期ガンで入院(退院したが…)したこと。

またさらには、以前に手術後無職の頃、浜松市内の介護施設に就職しようとして直前に断られたこと(アース◯ポート💢)などから、俺は介護という仕事にあまり興味が湧かない。

 

介護とは、自己以外の人間へのサポートである。

 

これは生半可な事ではない。

心から自分以外のために働ける人でないと続けられないと思う。

俺は、肉親の父親でさえ、“世話”が大変だった。

こんな俺では、介護の仕事は無理だろう。

 

介護業界は日本で唯一の“売り手市場”だ。

とにかく人手不足。

それは働いていてすごく感じた。

 

だが、安易に“正規”とするのは、考えた方が良いと思う。

 

“遠山”グループ

 

俺がよく行っている介護施設では、職員間の人間関係があまり芳しくない。

 

これはこの施設に限らず、どこの会社や店、組織でも変わらない。

人間が集まり、行動すれば必ず軋轢は生まれる。俺がこれまで働いてきた職場で人間関係で揉めていなかった現場など3つもない。…というか、その3つも俺の知らないところでは揉めていたのだと思う。

俺だって、今でも許せない上司や同僚は山ほどいる。

 

ここの施設では“主流派”と“反主流派”の争いがあった。

主流派はおそらくこの施設の“立ち上げ”からの職員さんらで、仕事に厳しい…というか、これが普通だろう。

俺はこの主流派に最初に仕事を“仕込まれ”た。

この主流派を仮に“真面目グループ”とでも名付けよか?

仕事はきっちりとして、常に施設の利用者の事を考えている。

 

これに対し、半主流派とでも言うべきグループがいる。

“真面目グループ”とは反し、仕事は適当。多少のミスは大目に見てくれたりする人たち。

 

そのリーダー格の男性が、俺の元いた求人誌会社の上司に似ていた(性格も似ている)ので、俺は“本田2”などと書いていたが、ややこしいので“遠山”(改め)としておく。

 

この遠山をリーダー格とする“遠山グループ”がある。

 

俺が当初は日勤で“真面目グループ”に教わっていた。

その後、夜勤に変わった。

夜勤では“遠山グループ”の方たちと働いた。その指示をあおっていた。

 

そうすると違いが分かる。

 

遠山さんらは別に“不真面目”という事はなく、なんといか、要領が良いのだ。

無駄が無い、とも言えるし、“ポイント”は押さえている。“手の掛かる利用者”へのフォローもそれなりにしていた。

 

ま、俺は週一くらいしか働いていないから、そういう印象を持っているだけかもしれない。

 

リーダー格の遠山さんは50代で、以前は違う仕事をしていて、管理職だったらしい。

なので、基本は俺達日雇い(派遣)に指示を出すだけ。

だが、サポートはするし、“大変な利用者”の世話はする。

無駄だと思われ事や施設内の決まりを“自分用”に解釈したり、無視したり、誤魔化している。

そして、誰にでも物腰柔らかで優しい。

以前は営業などをしていたのだろうか?

そんな遠山さんを慕う人間が一定数いるのは、少し分かる。

 

内紛

そんな遠山さんが気に入らないのは、“主流派”の真面目グループだ。

当たり前だ。

施設の決まりを勝手に曲げたり、向こうからはサボっているように見えるのだから、気に入らないはずだ。

 

俺は、別の職員さん(真面目グループ)から「あの人(遠山)はダメ」とか「最悪」とか「従わないでね」と言われた。

またその遠山さんも“真面目グループ”が嫌いらしく「うるせぇな💢」とか「細かすぎる💢」と愚痴っていたのを知っている。

 

俺からすると、“真面目グループ”から作業の“いろは”を教えられたので、正直、遠山さんらのやり方には違和感がある。

 

だが、介護施設の大変さは見ていて分かるので、作業を省略したり、無駄に思える部分を省くのは、仕方ない気がしていた。

 

それに、これはここでも書いたが、遠山グループは丸々仕事をサボっているわけではなく、ポイントは抑え、利用者を上手く促したり、コミュニケーションを取っている。

出来ていない部分もあるが、悪くない気もする。

 

そして、そんな遠山グループのやり方に既存のやり方(正式)を批准する真面目グループが頭に来る💢のもよく分かる。

 

俺が出勤すると、引き継ぎ(24時間看護)で揉めている事が度々あり、(…こりゃ、無理ないな)と思っていた。

ま、日雇いでたまにしか来ない俺は、とにかく“現場の職員さん”に従うのみである。

 

“異動”

この施設で働く日雇いの内、仲良くなった人間がいる。

何度か書いたが、名前を出していなかった。

 

“大久保”君(仮名)としておこう。

 

大久保君は俺がこの施設の仕事に参加し始める前から来ていて、当初は「ここの会社(施設運営)からバイトに誘われているけど、ここはなあ…」と言っていた。

作業の合間に彼と世間話したり、利用者の話や愚痴を軽く話したりするのは楽しかった。

 

そんな大久保君と久しぶりに現場で合会うと、彼はバイト採用され、週3日程で働いていた。

確かに仕事は速いし、慣れている。利用者の世話もできる。

バイトとしては誘われるだろう。納得だ。

 

そんな大久保君も俺同様、“真面目グループ”の指導を受けているので、遠山さんらのやり方に違和感を感じていたようだ。そんな話をした。

 

そして去年末、俺にと施設を運営する会社から“スカウト”メールがきた。

『深夜業務を含め、バイトしませんか?』という内容だった。

しかし、俺は今の仕事(バイト)が決まった直後であり、これを無視した。

 

正直な話、ここを含め、介護の仕事を“メイン”にする気はなかった。

 

そして年明けにここの日雇いを見つけ、半月ぶりに出勤した。

そこで大久保君がバイトとして採用されたことを知った。

俺は大久保君に「俺にもここの会社(運営)からスカウトメールきたけど、無視したよ(笑)」と語った。

 

すると大久保君は、内情を教えてくれた。

 

というのは、あの遠山さんが別の施設へ異動することになったらしい。

だから、さらに働ける人間(職員&バイト)が不足しているらしい。

 

俺は内心、(…その方が良いだろう)と思った。

遠山さんと“真面目グループ”は明らかにソリが合っていない。反目しあい、いがみ合っている。口論も多いのでは?

ここは両者離すのが良いだろう。

 

互いに仕事(介護)をしないわけではない。

考え方が違いすぎる。遠山さんの異動は良い判断だと思われた。

 

そして、驚いた。

 

職員(正社員)と思っていた遠山さんは、実は大久保君と同じバイトだったのだ。

 

これは介護業界の“闇”のような話だった。

 

【続く】